1月, 2020年

【923号】お金儲けは「インド式」に学べ! 今日は明日よりもっとリッチになる!

2020-01-13

映画『パラサイト 半地下の家族』を観ました。

2020年、最初に観るお正月映画は「絶対コレ!」と昨年から決めていたので、

日比谷ミッドタウンまで足を延ばし、「先行上映」にて鑑賞させてもらいました。

いやー、めちゃくちゃすごい!

いい意味で、大きく裏切られました!

期待の高いハードルを遥かに超えた「生まれて初めて観るジャンルの映画」でしたね。

娯楽映画でもあり、哲学的芸術作品でもあり、

笑えるけど〝ぞっとする〟ほど怖い映画というのはあまり観たことがありません。

ミステリーでもない、コメディでもない、ヒューマンドラマでもない、

アクションでもない、サスペンスでもない、ホラーでもない・・・

いや、でも、それらすべての要素が詰まっている超一流のエンターテインメント、

あらゆるジャンルを超えた一作、といってもいいでしょう。

とにかく面白い。

さすが、カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)に輝いた作品だけあります。

世界の巨匠監督の話題作を抑え、審査員満場一致だったというのですから、

それもうなずけます。

「汚い半地下住宅」で暮らす貧しい一家が、

「高台の超大豪邸」で暮らす裕福な一家に〝寄生〟していく、

という格差社会を風刺する〝悲喜劇〟でもあるのですが、

物語の因果関係はそれにとどまりません。

家族一人ひとりのキャスティングやセリフ回しも素晴らしく、

希望と絶望が繰り返されるジェットコースターのように、

先が読めない展開でありながらも、

伏線(=仕掛けた罠)の回収もパーフェクト、

いやはやなんとも凄まじい、驚愕のストーリーテリングでした。

格差社会(貧富の差・不平等・二極化)の闇にスポットを当てることで、

〝家族愛〟を浮かび上がらせます。

いったいそれは、共生なのか、それとも、寄生なのか。

パラサイト=寄生虫とは、実のところ「誰」なのか。

毒を含んだ皮肉と社会風刺を、醜悪な暴挙へと結びつけ、 丹念に描いていきます。

ラストの惨劇には、驚きのあまり、 開いた口が塞がりませんでしたよ。

もうびっくりです。

劇中で父は息子に言います。

「計画さえしなければ失敗もない」と。

果たして、我々小市民の努力は裏切られ続けるのか。

いや、ただ最後の最後に、

「夢をあきらめない」……ひと筋の〝光〟も残してくれました。

観終ったあとの余韻が半端なくこびりついたまま、帰途に就いたのでした。

あれからずっと、私に何かが〝寄生〟している気がしてなりません。

近年、格差と家族を描いた日本映画の名作といえば「万引き家族」ですが、

その「万引き家族」を観たとき以上の衝撃を受けました。

これ以上語るとネタバレになってしまうので、 もうこのへんにしておきますが、

皆さんも、ぜひ、ご覧くださいませ。

超オススメです。

以上、前置きはこれくらいにしまして、 メインコンテンツに入ります。

本号も、お薦め書籍(720冊目)として、

ためになる一節を抜粋し、ご紹介いたします。

本日のテーマは、【いい加減に、楽しむ】です。

お役に立ちましたら幸いです。

それでは、どうぞ!

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私の本よりためになる「お薦め書籍」シリーズ No.720

『お金儲けは「インド式」に学べ!』

今日は明日よりもっとリッチになる! 

グーグル、マイクロソフト、ペプシコなど インドCEOが次々誕生する理由がよくわかる! 

  「稼ぎ方」「働き方」の成功法則 !!

野瀬大樹著  ビジネス社

インド人が必ず聞いてくるテッパンの質問が飛んできた。

「ところで、インドの印象はどうだい?」

まぁ、相手がインド人ということもあり、 喜ばせようと少し盛った表現でインド経済の元気さを褒めたたいたところ、 彼は大いに満足だったようで、

「やっぱり君もそうか ! デリーは2030年にはトウキョウを追い越して 世界最大の都市になるだろう。 そのころには、GDPもチャイナを抜いて世界一になっているかもしれない。 大気汚染の問題もあるけど、あと5年もすれば エコがブームになって空気もどんどんキレイになる。それから……」

と、マシンガントークで返してきたのだ。

口には出さなかったが、内心「うーん、そんなにうまくいくわけないやろ」 と思ったと同時に、ちょっとだけ感心した。 「インド人って、万事こんな感じで異様なほどポジティブやな!」と。

とにかく、こと経済の展望に関しては、アゲアゲな話をする人が非常に多い。 「今日より明日は必ず豊かになる!」と、 13億人の国民みんなが信じているといっても過言ではないだろう。 しかも、インド経済というマクロな話だけではなく、 自分の商売というミクロな話題に関してもそうだ。

「いま、ビジネスはどんな感じ?」

とたずねると、

「最高や!」

「絶好調や!」

「メチャクチャ儲かっとるで!」

とだれもが答えるのだ。

〝ゼロ成長〟が続く日本とは異なり、 実際、毎年6~7%の経済成長を続けている国なので、 ある程度気持ちが「上がる」のはわかる。 ただ、インドでビジネスを始めたころは、 正直、こうしたインド人の「調子の良さ」を見るにつけ、 「いい加減な人たちやなぁ」と感じていた。 とりわけ私の仕事は、インドに進出している日本企業のサポートなので、 否が応でも日本とインド人、文化、考え方の違いが目についてしまう。

ところが、9年も現地でさまざまなインド人と触れ合っていくうちに、 徐々に私の考えは変わっていった。

インド人の「いい加減さ」こそが、この国のダイナミズム、 あるいは「元気さ」を生み出している源泉なのではないだろうかと。

もちろん、本文でも説明するように、「いい加減さ」ゆえの危うさや問題点もある。 だが、それを差し引いても、この日本にはない (いや、かつてはあったのに、いつの間にか失ってしまった) 「元気さ」から、学べるところは大いにあるはずだ。

おそらく日本人の目から見るトンデモもなく〝非常識〟なインド人のやり方で、 なぜ、みんなハッピーに生きていけるのか。 そして、仕事を通じてお金をガツガツ儲けられるのか。 きっとヒントが得られると思うし、そうなれば私としても望外の喜びだ。

(中略)

たとえすぐに「もの言う従業員」にはなれなくても、 「いざとなったら、いつでももの言える従業員になる」という意識が大切だ。 その意識を持つことで、会社に対する交渉力が生まれる。

ただし、この「いざとなったら、いつでももの言える従業員」になるためには、 その前提条件として「いつでも転職できる準備」をする必要がある。

インド人の従業員たちは、口をそろえて「給料を上げろ」と言う。 続いて、「ボスがそれを認めないのだったら辞めます」 と半ば脅しのように退職をちらつかせる。

この手の交渉ができるのは、 「いつでも転職できる」という〝逃げ道〟を周到に準備しているからなのだ。

彼らは新しい会社に転職しても、すでに入社初日には、 転職サイトに新たな自分の情報を登録する。 つまり、常にどん欲に「よりよい条件」を探し続けているのだ。 そして、少しでもいまのところよりよい条件の会社を見つけたら、 もう翌月には面接に行き、場合によっては半年で次の会社に転職する。

半年で転職というのは、スキルの蓄積という観点からはどうかと思うが、 それでも「次の場所」を常に確保し続けることで、 会社との交渉を有利に導くスタイルは私たち日本人も見習うべきだ。

実際に転職するかどうかは別として、 「オレに『来てくれ』という会社は、たくさんあるんやで」 という状況を、常にキープしておくことが重要なのである。

(中略)

ちょうど、インド人経営者と会う直前に、 日本の大手家電メーカーで45歳以上が大量にリストラされる というニュースがあった。 そこで、彼と食事をしながらそのことについて、軽く話したのだ。 すると、彼はこんな疑問を呈してくる。

「どうして不要になるような人を、45歳まで雇っていたのか?」

彼いわく、45歳まで20年以上も勤務した人を、 いきなり外に放り出すのはヒドイ話しだし、 そもそもそんな追い出したくなるような人を45歳まで雇い続けること自体、 経営陣にまったく見る目がなかった証しだろうという。

もちろん日本には解雇規制があるため、 安易にクビを切れないという事情がある点を彼にも説明したのだが、 それにしても納得するには至らなかった。

ただ、彼との話で私も別の視点が開けた。 この遅すぎるリストラの一因は、 やはり従業員を「仲間」だと見なしてしまったがゆえではなかろうかと。

本当は、もっと前の段階で組織にとってリストラ要員は不要だとわかっていたのだが、 「仲間」である以上、かわいそうなので安易に放り出すわけにはいかない。 そもそも、そんなことを通告して悪者になりたくもない。 そうこうダラダラしているうちにタイムリミットが来てしまい、 45歳を超えていきなりのリストラ通知という、 結果としてさらに残酷な仕打ちをせざるをえなくなってしまったのだ。

「不要」になった人に、ある程度のタイミングでその旨を伝えれば、 まだ転職や新しいスキルを身につけることも可能だっただろう。 ある会社では不要でも、別の会社でその能力が高く評価されるということも多々ある。

これも結局、会社と従業員が取引先のような関係であったら、 防げた問題なのではなかっただろうか。

そのインド人経営者は最後にこう言った。

「不要になった人に『あなたはいりません』と若いうちに伝えることこそ、 実はやさしさだよ。 『必要です』と言い続けながら、ある日突然『不要です』と言うほうが、 よっぽど残酷だし無責任ではないだろうか。 これはマネジメントの怠慢だね」

(中略)

ともあれ、私たちが人生で注力すべきなのは、 「何をしてもあなたを応援してくれる人」である5%の人を大事にすること。 もちろん、理にかなった批判にはきちんと対処し、反省材料にしたほうがいいだろうが、 にしても、残りの「何をしてもあなたのことを嫌う人」+「あなたに関心がない人」 =95%の人からの悪口、文句、難グセを気に病んだり、 ストレスとして抱えたりする必要など、どこにもないのだ。

世の中で出会う人全員の期待や要望に応えようと無意識に行動していては、 とてもじゃないが身も心ももたない。 そうではなく、出会った人のうちの5%にだけしっかりと向き合おうと考えれば、 一気にそのハードルも下がるだろう。 つまり、私たち日本人は越えなくてもいいハードルを越えようとして、 自らを追い込んでいただけなのだ。

実際私も、インドでビジネスを始めたころはストレスのかたまりだった。

クライアントとのトラブルはもとより、ツラかったのは「外野の声」だ。 会社の立ち上げ当初、周囲の会う日本人、会う日本人に、

「今度、こういうビジネスを始めたんだ !」

と報告していた。 しかし、たいてい返ってきたのは否定的な意見だ。

「そんなもの、うまくいくわけないやろ」

「同じようなことをした人もいたけど、2年で会社たたんで帰ったよ」

「悪いこと言わない。いまからでも遅くないからやめたらどうですか」

てっきり同砲の日本人から応援してもらえるかと思っていたが、 逆にネガティブなことばかり言われて正直心が折れそうになった。

ただ、いまになって考えてみると、 そういうことを言ってきた人たちとは、まったくその後会っていない。 つまり彼らはいずれも、私の人生において何ら関係ない人だったのだ。   そして、その何ら関係のない人に言われたことなど、 それこそ何ら気にする必要もなかったのである。

(中略)

私は9年インドでのビジネスをしているので、 若い人から年配の人までたくさんインド人の友だちがいる。 そうした仲良くなった人にたまに、

「日本や日本人に、どういうイメージを持っているのか?」

と質問することがある。

もちろん予想通り、多くのインド人にとって日本人は遠い存在であり、 「わからない」というのが回答の大半だ。 ところが、そのなかで、日本人の友だちがいたり、 日本企業とビジネスをしたことがあったりする人がいる。 彼らの答えは、目の前にいる日本人の私に気を使っているのか、たいがい、

「テクノロジーは先進的だよね」

「親切で平和的な人たちだよ、日本人は」

あたりとなる。

ただし、正直それでは面白くないので、私はあえて突っ込んで 「じゃあ、ネガティブなイメージは?」とたずねてみた。 すると返ってくる代表的な答えが、

「自分の意見を言わないよね」

「何を考えているのか、正直よくわからん」

というものなのだ。それに加えて興味深かったのが、

「実は一緒にいても、あまり楽しくないね……」

という意見が少なくなかったこと。

彼らからすると、

「日本人は一緒にお祭りやパーティーに行っても、踊らないし歌わない。 ただ、すみっこでお酒を飲んでニヤニヤしているだけなんだよね」

となる。

「意見を言わない」「何を考えているのかよくわからない」という問題は、 本書で何度も述べてきたように、積極的に自分の意見を明らかにすることを心がければ、 徐々に解決されていくだろう。

その一方で、この「楽しめない」問題をクリアするには、どうすればいいのか。

よくよく考えてみると、この問題こそ 本書で紹介してきたすべてのテーマに通じていることがわかる。 言い方を変えれば、この「楽しめない」→「楽しむ」こそが、 私たちにいま一番欠けている=必要な要素なのだ。

2020年1月13日(月・祝)

【編集後記】

昨日1/12は、父の「満88歳の誕生日」でした。

ということで、姉一家も合流し〝米寿〟のお祝い。

ひ孫(姉の孫)も参加した12名でのホームパーティは大いに盛り上がり、

孫たちから、お手紙や黄金の大座蒲団をプレゼントしてもらった父は、上機嫌。

ゴールドのちゃんちゃんこ&帽子のコスチュームで記念撮影の中心におさまり、

終始「笑顔の花咲じいさん」でした!

父はいまだ、心身ともに至って「健康そのもの」。

バースデーケーキのろうそく(88本??)を吹き消す肺気量や、

テンションの高さも健在です。

「幸せ者だ」「ありがとう」「感動した」を連発し、

「長生きしてよかった…」とつぶやいておりました。

母も、数え年でいえば「88歳」ですが、

これまた、父以上に元気いっぱい。

張り切って料理をたくさん作りすぎ、

厨房においての「エリザベス女王」も健在でございました。

ホントに、究極の幸せとは「健康」と「長生き」と「家族」ですね。

この3点セットさえあれば、あとの幸せは〝おまけ〟みたいなもの。

とまあ、改めてそんなことを、

しみじみと感じさせてくれる「ひと時」となりました。

ではまた、次号をお楽しみに!

(来週は「ゲラ」の最終チェックがあるため休刊とします)

次作の新刊『転職の鬼100則』は、

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本日も最後までお読みいただきまして、

ありがとうございました。

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早川勝

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【922号】「マジで、どん底!」から抜け出す、一流の人のすごい考え方

2020-01-05

謹んで新春のお喜びを申し上げます。 旧年中は一方ならぬお引き立てを賜りまして、誠にありがとうございました。 本年も、相変わらぬメルマガのご愛読を宜しくお願い申し上げます。

皆さまのモチベーションが上がる「名著からの抜粋文」をメインコンテンツに、 ときに長文にて恐縮ですが、手前ミソな「前置き文」をお届けする所存です。

さて、2020年オリンピックイヤーの幕開け、 令和時代初めてのお正月ですが、皆さまはいかがお過ごしですか。 何か世の中全体の空気がいつもの年とは違う、 崇高な盛り上がりを感じているのは私だけでしょうか? 今年は特に、ワクワクしますね。

ところで皆さん、年末年始の大型連休は楽しめましたか?

私の9連休は、新刊『転職の鬼100則』の原稿(再校ゲラ)へ、 ひたすら「赤」を入れまくっておりました。 カウントダウンの瞬間も「原稿」に向かって、赤ペンを握っていたほど。 その瞬間、娘たちの歓声がリビングから聞こえてきたので、 慌てて階段を駆け降り、「おめでとう!」のハイタッチに加えてもらいました。

というわけで、お正月はどこへも出かけずに(元旦に近所の氏神様への初詣のみ)、 それはもう一心不乱に加筆修正しまくりまして、 初校ゲラのときの何倍もの「赤」を入れることに…。 (普通は、初校より再校のほうが、修正箇所が減るのですが…) 明日、出版社へ配達された原稿を見て、編集担当者もびっくりすることでしょう。

さらにそれが来週末、「三校(念校)」となって、こちらへ届きますので、 またまた私がチェックして戻し、出版社から印刷所へ1/24に入稿されます。 そして、2/3に見本が届き、2/10頃には全国の書店へ配本される予定です。

ちなみに、『転職の鬼100則』、 すでにAmazonなどで「予約受付」は始まっております。 https://ux.nu/j71GQ (表紙カバーのデザインは未定です)

もちろん本業のほうでも、生保業界の歴史を変革する挑戦が、 いよいよ「勝負の年」を迎えます。 おかげさまで、400名規模の組織へと拡大発展してまいりました。 さらなる大躍進の年にする決意のもと、使命感は燃え上がるばかりです。

改めまして、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

以上、新年のご挨拶(本日の前置き)はこれくらいにしまして、 メインコンテンツに入ります。

本号も、お薦め書籍(719冊目)として、 ためになる一節を抜粋し、ご紹介いたします。 本日のテーマは、【メタ認知】です。 お役に立ちましたら幸いです。

それでは、どうぞ! ↓↓↓↓↓↓↓

私の本よりためになる「お薦め書籍」シリーズ No.719

『「マジで、どん底!」から抜け出す、 一流の人のすごい考え方』 https://ux.nu/T6uIk

人に言いたくなる、いい話の連続!100いいね! 

渋野日向子、大谷翔平の人生を変えた出会いと言葉とは  

著名人の知られざるエピソードと名言があなたを救う!

西沢泰生 著  内外出版社

「マジどん」から抜け出すための、一流の人たちの考え方。

その6つ目は、「他人事だと考える」です。

『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』など、 数々の作品を監督した宮崎駿さんが仕事をするときの口グセ。 それは、「面倒くさい」という意外な言葉。 テレビのドキュメンタリー番組で、映画製作のウラ舞台が映されたとき、 宮崎監督は、仕事中に、まるで呪文のように「面倒くさい」を連発していました。 一見、「後ろ向きの言葉」のような気がする、この「面倒くさい」という言葉。 実はこれ、「心の平安を保つため」にとても効果的な言葉なのです。

なぜ、そうなのかは後ほど……。

岡目八目」という言葉があります。 これは、「囲碁をやっている当人よりも、横で見ている他人のほうが 状況を客観的に見ることができて、八目(=8手)先まで読むことができる」 という意味。 高い視点から冷静に全体を見ている第三者は、 当事者よりも「よい判断をくだせる」ということを言った言葉です。 昔の武将が、「軍師」を置いて、一歩引いた立場から戦況を判断させ、 采配の参考にしたのも、「岡目八目効果」を狙ってのことだったのでしょう。

世阿弥の『花鏡』には「離見の見」という言葉が出てきます。 これは、舞台で能を演じるときの心得の1つで、およそ次のような意味です。 「役者として大成するためには、自分が舞台で演じている姿を 『客席で観ている観客の目になって』観るようにしなければならない」 世阿弥さんも、自分を「他人の目」で見ることの大切さを訴えていたのですね。

最近で「メタ認知」という言葉もあります。 ひと言で言えば「第3者の立場から自分を冷静に分析する力」のこと。

「ぼくは天才ではありません。なぜかというと、 自分がどうしてヒットを打てるかを説明できますから」 (イチロー 元メジャーリーガー) この言葉は、イチローの「メタ認知」の高さを物語っています。

「岡目八目」も「離見の見」も言わんとすることは同じ。 昔から現代に至るまで、「第三者」として、 「自分の問題」を「他人事として見る効果」が伝えられてきているわけです。

ほら、ビジネスメールだって、 「打ち終わったところで、『他人の目』でもう1度読み直して、 意味がわかりにくいところがないかチェックするとよい」というではないですか。 何か問題にぶつかったとき、 この「第三者の目になる」ことが、「解決のきっかけ」になります。

ビジネスコンサルタントの本田直之氏は、目の前の問題を解決する方法として、 こんなことを言っています。 「目の前の問題は、他人事と考え、『第三者からこういう相談を受けた』と仮定し、 『アドバイスするように』解決策を考えるとよい」

元浄土真宗の僧侶で、かつて、webサイト『家出空間』を運営。悩 める人たちの相談に乗るなどし、心の平安に関する本を執筆されている、小池龍之介氏。 彼はその著者のなかで、自分が悩んでいるときの「メタ認知」について、 次のようなポイントを挙げています。 決して自己否定をしないこと。そして、冷静に客観的に自分を見つめる。 お母さんが赤ん坊をあやすように、穏やかに自分の心の声に耳を傾ける。 そして、こう続けています。 「素直に嫌がっている自分と向き合う。 『ああ、自分は嫌だと思っている』と繰り返し唱えるのも効果的です」

はい。 ここで冒頭の宮崎監督の口ぐせです。 監督は、「嫌がっている自分」をある意味、冷静に客観的に観ていたのです。 小池氏が言うように、嫌がっている自分」と向き合い、その感情を否定せず、 隠すことなく「面倒くさい」を連発することで、自分を鼓舞していたのですね。

(中略)

以前にテレビで、「目の前にビルから飛び降りようとしている人がいたら、 何と声をかけますか?」という質問に、有名人が回答する……という番組を観ました。 各界の人たちが、いろいろなことを言っていましたが、 女優の壇蜜さんの言葉がとても印象的でした。 彼女は、目の前で死を選ぼうとしている人に、こう声をかけるそうです。

「ひと晩、寝てみてはどうですか?」

シンプルな提案ですが、いわゆる「おくりびと」として、 たくさんの人の「死」を見てきたという経験を持つ 彼女ならではの奥深い言葉だと思いました。 人間、ひと晩寝るだけで、 不思議と「昨日の悩み」は半分くらいの大きさになっているもの。

「『朝』という字は、分解すると『十月十日』。 赤ちゃんがお母さんのお腹のなかで過ごす期間です。 人は、眠って目覚めると、毎朝、毎朝、生まれ変わっているんです」 (ひすいこたろう 天才コピーライター・セラピスト)

(中略)

「マジどん」から抜け出すためのきっかけをつかむアクション。 その5つ目は、「本を読んでみる」です。

あなたが会いたいメンターが、実際に会えないほど「雲の上の人」だったり、 故人で本当に「雲の上の人」の場合はどうすればいいのか。 そんな場合、そのメンターと疑似的につながり、「考え方」を共有するための方法が、 「読書」です。 その人が書いた本を何度も何度も読み返して、 「その人の考え方」を自分のモノにすればいい。

何しろ「読書」は作者との「対話」です。 直接に話しを聞いているのと、同じくらいの効果があります。 私自身、本を書くようになった一つのきっかけは、 ビジネス書を読み漁るようになったことです。

では、古今東西の「読書の効用」を讃える名言をいくつか紹介しましょう。

「自分にとって学校は一切存在価値がなかった。 図書館と古本屋さえあれば、それで十分だった」 (司馬遼太郎 小説家)

「私が人生を知ったのは、人と接したからではなく、本と接したからである」 (アナトール・フランス 詩人・小説家)

「どんな本を読んでも、必ず、勉強になることがある」 (鍵山秀三郎 イエローハツト創業者)

「読書とは、自分で考える代わりに他の誰かにものを考えてもらうことである」 (ショーペンハウエル 哲学者)

人生で直面するさまざまな問題の答えは、必ず本のなかにあります。 「本を読む」ということは、「先人の知恵」をちゃっかり拝借する行為なのです。

実業家のビル・ゲイツも、新しい着想を得るために、 定期的に別荘にこもって読書三昧の日々を送る「ビル・ゲイツのシンクウィーク」 と呼ばれる習慣を持っているそうです。

自己啓発本を驚異的なペースで執筆されている千田琢也氏の言葉です。 「本は、その著者がこれまでの人生をすべてかけて培ってきた知恵の集大成を 惜しみなく披露してくれているもの。 少なくとも、1冊10万円の価値はある」 私もまったく同感。良書の価値は10万円以上のです。

本を書くとき、作者は「読者にとってわかりやすいように」と、 表現や話の順番など、細部にわたって工夫をしてくれます。 そう考えると、本は「作者との対話以上のもの」と言えます。 本代をケチるなんて、もったいない話。

「知識への投資は、常に最高の利息がついてくる」 (ベンジャミン・フランクリン アメリカの政治家)

では、「知識への投資」として、どんな本を読めばいいのでしょう? まずは、「自分がこうなりたいと思っている人」が書いた本。 リスペクトしているメンターの本なら、全部、読んでしまいましょう。 「1人の著者の本をすべて読み尽くすのは最高の贅沢」です。

2020年1月5日(日)

【編集後記】

たしかに、そう考えると、1冊千円程度というのは、 安いものですねぇ。

私もずっと「本」が、師であり、メンターであり、友でした。

暗いですか?(笑)

今年も良書をたくさん読んで、 皆さまへシェアしてまいりますね。

どうぞ宜しくお願いします。

ではまた、来週号をお楽しみに!

本日も最後までお読みいただきまして、 ありがとうございました。

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