11月, 2018年

【886号】シリコンバレー式最強の育て方 人材マネジメントの新しい常識1on1ミーティング

2018-11-25

 

先日、尊敬する「佐藤英郎」さんと、品川で食事をしました!

 

佐藤英郎さんというのは、

私が人材教育会社で営業本部長を務めていた時代の上司(取締役)であり、

「人生の師」と仰ぐ、素晴らしい方です。

 

6年振りの再会でしたからねー、

いやー、ホント感動しました!

 

かけがえのない有意義なときを過ごすことができ、

モチベーションがグングン上がっていくのが分かるほどでした。

 

驚かされたのは、とてもとても「68歳」とは思えないその若々しさ。

まだまだ〝超現役〟なんです!

 

昔と変わらず、いや、むしろ若返ったのではないかと思うほどに、

スタイリッシュでカッコよく、

後ろ姿は40代と言ってもいいほどに足取りも軽快です。

 

そして、内面から滲み出る温厚なお人柄と包容力、

豊富な人生経験を積み重ねて来られたオーラに圧倒されました。

 

もちろん、一流のトレーナーとしても第一線でご活躍され続けています。

それはもう「リスペクトがあふれて止まらない」

そんな素敵な方です。

 

私も英郎さんように華麗に歳を取りたいものだと(華麗に加齢)、

改めて人生の目標を明確にすることができた、最高の夜となりました。

 

若返りの秘訣「エイロー式スクワット」も伝授いただきました!

近々、そのスクワット法なども紹介する「若返り健康本」を出版される予定なんだとか。

楽しみです。

 

私の新刊『営業の鬼100則』も購入してきてくださるというお気遣いと、

「いつもメルマガ読んでますよー」という嬉しいお言葉も頂戴しました。

 

そして、もったいないほどに、たくさん褒めていただきました。

久しぶりに私の自己承認欲求が十二分に満たされたと同時に、

ユーモアたっぷりのトークシャワーによって、

笑顔があふれて止まらない、楽しい楽しい食事会となりました。

(参考:写真投稿↓)

http://ux.nu/gW03p

 

英郎さん、素敵な夜をありがとうございましたー!

 

 

さてさて、素晴らしい経営者といえば・・・、

もう一つ、お知らせしたいことが…。

 

明日香出版の「社長」さんが、ホームページのブログにて、

拙著『営業の鬼100則』について、

このような嬉しくもユニークなコメントを寄せてくださいました。

https://www.asuka-g.co.jp/president_blog/1811/010719.html

・今すぐに営業がやりたくなる!ほどの衝動にかられる良書が出ました

・わが社の営業の鬼部長も「久しぶりにガツンとやられた!本当にいい本です。」

と言い、部の課題図書に指定しました。

・まったく営業を知らない私が読んでも今すぐ営業がしたくなるほどの内容です。

・とても気になる内容がたくさんあり一気に読めました

・「読書は苦手!」という方もゴゴゴゴーッ!と引き込まれます

 

というようお褒めの言葉の数々。

社長ご本人とはまだ直接お会いしたことはないのですが、

気に入ってくださっていることが分かり、とても嬉しくなりました。

 

「ゴゴゴゴーッ!と引き込まれます」という表現いいですよね。

気に入りました!

 

そこでさらに、またまた嬉しいご報告がございます。

『営業の鬼100則』、

7刷目の重版(4000部)が決まりましたー!

これで、累計2万4000部

(参考:投稿記事↓)

https://www.facebook.com/masaru.hayakawa2/posts/2017050115047841?notif_id=1542773237564184&notif_t=feedback_reaction_generic

 

おかげさまで、順調に発行部数を伸ばしているようです。

本当にありがとうございます!

 

これからもどうぞよろしくお願いします。

 

※『営業の鬼100則』↓Bookサイト

http://tsuitel.in/books/index.html

 

 

 

以上、前置きはここまでといたしまして、

メインコンテンツに入ります。

 

本号も、お薦め書籍(688冊目)として、

ためになる一節を抜粋し、ご紹介いたします。

 

本日のテーマは、【成長支援ステージ】です。

 

お役に立ちましたら幸いです。

それでは、どうぞ!

↓↓↓↓↓↓↓

私の本よりためになる「お薦め書籍」シリーズ No.688

『シリコンバレー式最強の育て方』

人材マネジメントの新しい常識

1on1ミーティング

月30分の対話で社員が

自分から動く やる気が続く いきなり辞めない

Google、ヤフーなど、業績が伸びている会社では、既に当たり前

「働きがいのある会社」3年連続1位の

会社で実証した著者のノウハウを公開!

世古詞一 著

かんき出版

 

 

1on1が機能するために、まずは上司と部下の信頼関係が土台として必須です。

そして、同時に1on1で行うことは部下の「成長支援」です

部下が能力を高めて結果を出し続けていくのをサポートするのが上司の役割です。

大事なことは部下の「仕事」のサポートではなく、

部下が「成長する」サポートだということです

 

では具体的に「部下の成長支援」とは何をすることでしょうか?

まず初めに思いつくのは、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)です。

これは現場の仕事を通じて業務を教えていくことです。

できないことができるようになって、部下が成長していきます。

 

OJTでは主に、「仕事の内容」について教えます。

これにより、ひと通り習慣化された業務は慣れとともにできるようになっていきます。

そうして現場の業務が自分でできるようになると、

多くの企業ではあまり仕事を「教えなくなります」。

仕事をする上で教えることがなくなるからです。

「最低限は教えたから、あと必要なことは自分でいろいろ考えてやってね」

という世界に移行していくのです。

 

つまり、今、多くの企業で行っている部下育成とは、

仕事の「内容」については教えるのですが、

仕事の「プロセス」で生じる気づきや学びについては、ほとんど触れないのです

なぜなら短期的な結果には直結しないからです。

しかし、業務を自立して行い、自ら改善を繰り返しながら

中長期的に結果を出し続ける人を育成したいのならば、この時間は必須です。

これこそがマネジメントであり、それを1on1ミーティングで実現するのです

 

(中略)

 

評価は、マネジャーにとって非常に重たい業務の一つで、皆さん頭を悩ませています。

しかし、この1on1を重ねていくことで、評価を自信を持って行えるようになります。

なぜかというと、評価で最も大切なことは、

「正しい評価」ではなく「評価される側の納得感」だからです

いくら「ルールに則った」評価をしても部下が納得しなければ意味がないのです。

誤解を恐れずに言えば、マネジャーの仕事は「100%正しい評価」を行うことではなく、

「部下の納得のいく評価」を行って育成につなげていくことです

 

部下は、評価に納得してはじめて、自分の課題を受け入れられ、

次の成長へ進もうと思います。

同様に、設定した目標に納得感を持ってはじめて、

それに向かい進んでいこう、と思います。

 

昔は上司が絶対で評価が悪くて説明がなくても

「なにくそ!」と今度は上司を見返してやるぞ、と頑張った人もいたでしょう。

しかし、現在の若者は「理不尽さ」に対する耐性が弱く、納得感がないと前に進めません。

さらに成長を促すためにも、納得感は大切なのです。

 

そのために、日ごろから短い期間で1on1ミーティングを行うのです。

物理的な接触頻度を増やして、目標へのフィードバックや承認を行います

さらに、部下の話を聴くこと。

部下の心の中で思っていることを聴いて、部下特有の状況や想いを理解しない限り、

部下は「自分を見てもらっている」という感覚を持てません。

 

その状況で、いくらルール通りの「正しい評価」を行っても、

いやむしろそれが正論であればあるほど、

部下にとっては納得できないものになっていきます。

 

目標設定も同様に、正しい目標設定から、

納得感のある目標設定に変えていくために1on1は不可欠です

 

目標設定のときに大切なことは、組織や部署全体の方向性の共有です。

ここを理解してもらうために時間を取ることが大事ですが、

一度聞いただけではなかなか理解できないことも多いので、

日ごろから1on1を使ってその背景を共有していくのです。

目標設定の面談のときにだけ、組織の方向性の話をしても納得感は薄すぎるのです。

 

(中略)

 

今日、報連相(報告・連絡・相談)は、

仕事がつつがなくいくように部下が上司にするものという解釈が一般的です。

報告や相談は特にそうです。

上司は何もしなくても、部下から情報が上がってくるようにしたい。

その発想からきていると思います。

 

一方で、私が知るモデル上司はこの逆のことを行っています。

つまり「逆ホウレンソウ」です

上司は、部下が知ることのない重要な情報を会議や上役の人から聞いてつかみます。

デキル上司は、そこで得た情報を精査して、部下に公開していきます。

上の人しか出席できない会議は、自分が部の代表をして出ているという意識なので、

部下たちに惜しみなく情報を分け与えるのです。

情報を与えられた部下は、視野が広くなり、材料を持てるので

自分で考えられるようになって自ら動きだします。

 

つまり、逆ホウレンソウができる上司は育成上手なのです。

一方で、デキナイ上司は、会議などで得た情報を部下に公開しません

「大したこと話してないよ」「知る必要ないでしょ」「という考え方です。

一概に間違った考えではないと思います。

 

あまり情報が多くても混乱するから、

自分の役割に徹してほしいという考え方もありだとは思います。

しかし、私は早い成長を期待するならば

やはり情報をドンドン出していくべきだと思います。

 

情報とは、具体的には3つ。

1「決定事項」と2「それに至るプロセス」、そして3「上司のメッセージ」です

 

(中略)

 

一方、3か月先まで繰り返してスケジュール化すると、「定例」業務になってきます。

「定例」業務には気をつけなければならないことがあります。

それは「血が通わなくなる」ことです。

 

定例ミーティングをイメージしてください。

いつも同じメンバーで同じ内容、

提出ギリギリにレジュメの内容を送って滞りなくミーティングが終わる。

そんなことが起こっていないでしょうか?

 

最低限の役割は果たしているのですが、

「定例化」すると「いつもと同じ」思考と行動になり、

そこに工夫や改善が生まれにくいのです。

もっと言うと定例業務には心が向けられていないのです。

心が向けられていないもの良いものは生み出されません

 

では「定例」の反対は何でしょうか?

それは「イベント」です。

イベントには、特別で非日常的な感覚があり、

何かワクワクする感じが生まれないでしょうか?

 

どんな行事であれ、我々は自分主催のイベントであれば

「イベント」に心を向けて、考えつくして様々な工夫を加えようとします。

だからこそうまくいけば達成感もひとしおであり、

うまくいかなければ本気で悔しいと思って次の改善へと向かうわけです。

 

1on1ミーティングについてもこのイベントのサイクルを取り入れてみるわけです。

マネジャーはイベントプロデューサーとなって、

1on1の設計というイベント企画を行わなければ、

イベント参加者である部下は早晩飽きてしまいます。

 

心の向けられていない時間ほど退屈で無駄だと感じるものはありません。

いつしか、部下は1on1が苦痛になってきてしまいます。

 

ですから、1on1の時間を定期的にスケジュール化はしますが、

内容については定例化しないように気をつけなければなりません。

定例化するのは1on1の時間自体ではなく、

1on1を「準備する時間」にすると良いでしょう。

 

さらに、もし1on1がなんらかの事情でキャンセルになったときは、

必ずリスケジューリングして予定を撮り直すようにしてください

クライアントとのアポイントと同じです。

マネジャーが部下との時間を丁寧に扱わないと

いつのまにか行われなくなっていきます。

 

 

 

2018年11月25日(日)

 

【編集後記】

 

皆さん、この3連休はいかがお過ごしでしょうか?

 

私の連休といえば、部屋に引きこもって執筆に集中するのが通常なのですが、

勤労感謝の日が、義兄(姉の夫)の「還暦」を迎える誕生日だったこともあり、

姉夫婦と姪っ子夫婦と共に、伊豆まで一泊温泉旅行へと出かけてきました。

 

「億ション」を改造したという温泉宿は超バブリーな4LDKでした。

露天風呂などの施設の豪華さよりも、部屋の「広過ぎる広さ」に笑ってしまいました。

それは、6人で泊っても「おつり」が来るほどのスイートルーム。

こんな温泉宿は、初体験です。

 

そんなセレブな別荘へやって来た気分を味わいつつ、

夕飯のバイキングでは、「ここで食わなきゃ損」とばかりの山盛り大食らい、

小市民丸出しになってしまうところが、私に染みついた貧乏性で、

ホントお恥ずかしい限りです。

 

還暦を迎えた主役の義兄には、サプライズのバースディケーキに蝋燭を立て、

宿泊客を巻き込んで「ハッピーバースディトゥーユー」を大合唱するパフォーマンスも。

そして、赤いちゃんちゃんこ、ならぬ、

「赤いパーカー」をプレゼントさせてもらいました。

 

その真っ赤なパーカーがよく似合う義兄は、

びっくりするほど見た目が若く…、

これまた英郎さん以上に若々しいのです。

 

先日も、姪っ子の結婚式の写真を見た親戚のおじさんが、

新婦である姪っ子と父である義兄が「父娘で並んでいる写真」を見て、ひと言。

(その親戚のおじさんは、結婚式に出ていないので新郎の顔を知らない)

 

「おおー、すごい。こりゃまた、驚いた。

お父さんにそっくりの旦那さんを選んだもんだなー!

 

と、60歳の新婦の父を30歳の新郎と見間違えてしまうほどの若さなのです。

そりゃ似てますよねぇ、お父さん本人だもの(笑)

 

ちなみに義兄は、これから定年後も、

支店長として会社へ残ってほしい、というオファーがあったそうです。

それはもう、まだまだバリバリ働けます。

 

義兄がどれほどの記録的な「宇宙人レジェンド」なのか

詳しくは、私早川や西沢泰生先生の著書にも紹介されていますので、

身内びいきで恐縮ですが、ぜひ、お読みくださいませ。

 

『夜、眠る前に読むと心が「ほっ」とする50の物語』

↓(王様文庫・西沢泰生著)

http://ux.nu/iRNcj

『死ぬ気で働く営業マンだけがお客さまに選ばれる』

↓(かんき出版・早川勝著)

http://amzn.to/1CQ99NX

 

それにしても、この温泉旅行、

いやー、食って飲んで、また食って飲んで食って…と、

カロリー過多な連休となってしまいましたので、

今日は執筆の合間に、スクワッド、スクワッド、スクワッドを繰り返しております!

(笑)

若返るかな。

 

 

では、また来週号をお楽しみに!

 

 

本日も最後までお読みいただきまして、

ありがとうございました。

******************************

早川勝

【オフィシャルサイト】http://tsuitel.in

 

最新刊↓『営業の鬼100則』

https://goo.gl/dd1QQF

 

Bookサイト  http://tsuitel.in/books/index.html

 

【書籍案内一覧】↓

http://tsuitel.in/books/book_list/index.html

【人気シリーズ】↓

http://tsuitel.in/books

E-mail:hayakawa@tsuitel.in

ご感想、配信停止はコチラ↑

******************************

 

【885号】コーヒーと楽しむ 心が「ホッと」温まる50の物語 明日が少しいい日になる

2018-11-17

 

「川崎フロンターレ」が、Jリーグ2連覇を達成しました!

あまり世間の話題にのぼりませんが、

せめて私だけでも・・・、「優勝おめでとうございます!」

 

鬼木監督が就任した昨年、悲願の初優勝を成し遂げた川崎フロンターレでしたが、

今や、押しも押されぬ「常勝軍団」へと変貌を遂げました。

 

いったい、その要因はなんだったのか。

皆さん、ご存知でしょうか。

 

勝てるチームになった、その理由とは・・・、

それは、「鬼」です。

 

ちなみに、プロ野球ほどは熱の入らない、にわかサッカーファンの私ではありますが、

Jリーグは、一応「川崎びいき」です。

神奈川県出身、大田区在住で川崎に近く、ホームの等々力競技場も遠くありません。

Jリーグが発足した25年前、ニコスシリーズだったあの頃からの「川崎びいき」

 

カズやラモスがいたあの頃は「ヴェルディ川崎」でしたから、

チームそのものは、まったく〝別物〟になってしまいましたけど…。

(福岡を本拠地とする野球チームがライオンズからホークスに変わったように…)

 

いやー、それにしても、川崎を率いる「鬼木監督」の〝鬼戦略〟は凄い!

 

鬼木監督の〝鬼戦略〟とは、攻守ともに敵陣で戦う、究極の「走らないサッカー」

攻守の切り替えの早さで、奪われた瞬間にプレス、すぐさま〝鬼攻撃〟に転じます。

敵陣で攻守を完結させるため、自陣と敵陣とのアップダウンがなく、

そもそも、走る必要がないのです。

 

ワールドカップなど世界のトレンドは「走るサッカー」であるにもかかわらず、

優勝した川崎フロンターレの走行距離はJリーグ18チーム中〝最下位〟と、

あえて「鬼木監督」の〝鬼戦略〟は、走らない…走らない…走らない。

 

理想的なパス回しサッカーを極めたといってもいいでしょう。

もはや、川崎フロンターレは、「パスサッカーの代名詞」となったのです。

 

「フロンターレ」は、イタリア語で「正面の」という意味で、

「正面から正々堂々と戦う姿勢」を表現しているらしいではないですか。

 

なるほど。

堂々と、「鬼」のように、走らないわけです。

 

さらに川崎フロンターレは、9割以上のゴールを「日本人選手」が決めています

外国人選手が前線で「個」の力を発揮するチームが多い中、

これは凄いことです!

外国人枠が5人になろうかという時代に、純血サッカーを貫くスタイル、好きですねぇ。

 

いやー、素晴らしい。

まさに、赤き血の「鬼イレブン」

 

日本人を中心とした〝鬼ばかり〟のチームづくりを成し遂げた「鬼木監督」には、

ぜひ、『サッカーの鬼100則』という本を出してほしいものです(笑)

 

 

※参考

『営業の鬼100則』↓

http://tsuitel.in/books/index.html

 

 

 

以上、前置きはここまでといたしまして、

メインコンテンツに入ります。

 

本号も、お薦め書籍(687冊目)として、

ためになる一節を抜粋し、ご紹介いたします。

 

本日のテーマは、【美意の按配(びいのあんばい)】です。

 

お役に立ちましたら幸いです。

それでは、どうぞ!

↓↓↓↓↓↓↓

私の本よりためになる「お薦め書籍」シリーズ No.687

『コーヒーと楽しむ心が「ホッと」温まる50の物語 』

明日が少しいい日になる

ほろ苦い大人ブラックから

心がやわらかくなるあまいカフェオレまで。

3分で幸せな気持ちになる実話

西沢泰生 著

PHP文庫

 

 

 

「美意の按配」という寓話をご存知ですか?

 

タイトルの「美意の按配」とは、「何ごとも神様のおぼしめし」というような意味。

いろいろなパターンがあるようですが、かいつまんでお話をしましょう。

 

昔、ある小さな国に若い王様とその家来がいました。

家来の口ぐせは、「何ごとも、上天からの美意の按配」。

王様は賢い家来を信頼していて、2人はいつも一緒でした。

 

さて。ある日のこと。

いつものように2人でトラ狩りに出かけたとき、王様は獰猛なトラを仕留めます。

しかし、完全に死んでいなかったため、王様は小指を食いちぎられてしまったのです。

帰り道、「今日は本当に運が悪い」と繰り返す王様。

それを聞いていた家来は、いつものように

「王様、これも美意の按配でございます」と言います。

この言葉を聞いた王様、カチンときます。

「では聞くが、もし、私が怒っておまえを殺したとしても、

それも美意の按配だというのか?」

「はい、王様。それも、美意の按配でございます」

自信たっぷりに答える家来にいよいよ腹を立てた王様は、

城に戻ると、その家来を牢に入れてしまいました。

 

数日後、

1人で狩りに出た王様は道に迷い、危険な野蛮人が住む地域に入り込んでしまいました。

王様は野蛮人たちに捕らえられ、神様への神聖な生贄にされることに。

いよいよ、生贄になろうという寸前。

野蛮人たちは、王様に小指がないことに気がつきます。

そして、「不浄な者を生贄にはできない」と、王様を解放したのです。

 

命拾いをした王様。

何とか城に戻ると、すぐさま、家来のいる牢へ向かい、

今日、自分に起こったことを家来に話して言いました。

「おまえの言うとおり、私が小指を失ったのは美意の按配であった。許せ」

「王様、気になさることはありません。

それに、王様が私を牢に入れたことも、美意の按配でございます」

「なんと、それはどういうことだ?」

もし、牢に入れられていなかったら、私は今日、王様と一緒に狩りに行っていました。

そして、私だけが生贄になったことでしょう。

ですから、これはすべて美意の按配でございます

 

いかがでしたか?

 

「人間万事塞翁が馬」の故事にも似た話ですよね。

共通しているのは、「一見、悪いことが起こっても、

よい方向に転ぶかもしれないからクヨクヨすることはない」という教えです。

 

かく言う私も、新卒で入社して20年以上務めた会社がなくなりましたが、

そのおかげで、今、こうして本を書くことができています。

ほかにも、「えーっ、うそーっ」という出来事が、

後から考えると「いい出来事だった」という経験をたくさんしているので、

この寓話はとても腑に落ちるのです。

 

あなたも、「運が悪いなー」という出来事に遭遇したら、

この「美意の按配」という寓話を思い出してみてください。

そして、どんなに悪いことが起こっても、

「これは、いいことの前フリ」と思うことが、

結果として、「いい未来」を引き寄せます

 

 

 

 

2018年11月17日(土)

 

【編集後記】

 

西沢先生の本は、やっぱりいいいですよね。

このメルマガでも、かれこれ10冊以上、紹介してきましたが、

いつも救われた気持ちになります。

 

実はこの年末、久しぶりに西沢さんと「さし飲み」する予定です。

ここのところの西沢さんは、もの凄い勢いでヒット作を連発させていますからねー。

ぜひこの機会に「作家道」を勉強させてもらいたいと思っています。

 

新宿あたりで、酔いつぶれた「作家風のオッチャン」2人組を見かけたら、

それは、私たちかもしれません。

 

 

では、また来週号をお楽しみに!

 

 

本日も最後までお読みいただきまして、

ありがとうございました。

******************************

早川勝

【オフィシャルサイト】http://tsuitel.in

 

最新刊↓『営業の鬼100則』

https://goo.gl/dd1QQF

 

Bookサイト  http://tsuitel.in/books/index.html

 

【書籍案内一覧】↓

http://tsuitel.in/books/book_list/index.html

【人気シリーズ】↓

http://tsuitel.in/books

E-mail:hayakawa@tsuitel.in

ご感想、配信停止はコチラ↑

******************************

 

【884号】イーロン・マスクの言葉 世界を救う起業家は、何を考え、何を語ったか―――

2018-11-10

 

毎週、「鬼100則」の話題ばかりで恐縮ではございますが

(興味のない方はホントにすいません、前置きは読み飛ばしてください)、

昨日11/9(金)、Amazonランキング(営業カテゴリー)にて、

「第1位」に返り咲きました!

ありがとうございます!

↓(ランキング写真)

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2001468036606049&set=pcb.2001468779939308&type=3&theater

 

Amazon総合ランキングでも、

念願のベスト100入りし、98までアップしましたー!

宮崎駿監督の次なる作品の原作としてミリオンセラーとなった、

「君たちはどう生きるか」を超えるなんて夢のよう(一瞬のこととはいえ)。

↓(ランキング写真)

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2001824633237056&set=pcb.2001830519903134&type=3&theater

著名人の本やアイドルの写真集などと並んでいる風景は、不思議な感覚ですね。

 

9/10に『営業の鬼100則』が店頭に並び始めてから、今日でちょうど2ヵ月。

このタイミングでの再浮上というのは、嬉しいニュースです。

 

なぜ、再度ランキングが急上昇したのかといえば、

実は、11月9日(金)の日経新聞へ大きな広告が掲載されたおかげで…。

2面の「日銀総裁のインタビュー」と「社説」の真下あたりにどどーんと、

かなり幅をきかせた〝巨大広告〟を出してもらえました。

↓(掲載写真)
https://www.facebook.com/photo……mp;theater

販促に力を入れてくださる出版社の方々には本当に感謝です。

 

書店での売れ行きも引き続き順調のようで、

昨日も渋谷の書店で、ロンブー敦さんの最新刊と一緒に、

ワゴンで山積みされている売り場を見て、大興奮しました。

 

ロンブー敦さんのデカいポップに負けず劣らずのバカデカい「鬼ポップ」!

↓(売り場の写真)

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2002644089821777&set=pcb.2002646686488184&type=3&theater

 

このまま鬼本がロングセラーとなり、

一人でも多くの方々へと読み継がれていくことを、切に願うばかりです。

 

 

 

以上、前置きはここまでといたしまして、

メインコンテンツに入ります。

 

本号も、お薦め書籍(686冊目)として、

ためになる一節を抜粋し、ご紹介いたします。

 

本日のテーマは、【イノベーション】です。

 

お役に立ちましたら幸いです。

それでは、どうぞ!

↓↓↓↓↓↓↓

私の本よりためになる「お薦め書籍」シリーズ No.686

『イーロン・マスクの言葉』

時代を超えた起業家シリーズ

ビジョン、苦労、欲望、アイデア、私生活……etc.

世界を救う起業家は、何を考え、何を語ったか―――

「いまだに片足は地獄に

突っ込んだままだが、このカオスからも、

あとひと月もすれば解放されるだろう」

桑原晃弥 著

きずな出版

 

 

はじめに

 

スティーブ・ジョブズが亡くなったあと、

「ポスト・ジョブズは誰か」が話題になったことがあります。

当時の最有力候補は、アマゾンの創業者ジェフ・ペゾスでしたが、

いまや最も革新的で最もクレイジーな「ポスト・ジョブズ」は、間違いなく

スペースXやテスラモーターズのCEOイーロン・マスクと言うことができます。

 

ジョブズのキャッチフレーズが「世界を変える」なら、

マスクのキャッチフレーズは「世界を救う」です。

 

学生時代から「いずれ枯渇のときが来る化石燃料に、

過度に依存した現代社会に変革をもたらし、人類を火星に移住させる」という、

SF小説を凌ぐほどのクレイジーな夢を大真面目に語り続けていたマスクですが、

当初はその言葉に真剣に耳を傾ける人はほとんどいませんでした。

 

人は「いまそこにある危機」には対処しますが、

「やがて来るであろう危機」からは目をそらす傾向にあります。

マスクと同じ危機感を共有できる人は、ほぼいませんでした。

 

それはペイパルなどITの世界で成功してからも同様で、

当初は「大金を手にした若造のほら話」くらいに思われていました。

しかし、そこからマスクは破産覚悟の挑戦を続けることで、

世界中の大企業が実現できなかったロケットと電気自動車をつくりあげることに成功。

 

その評価は一転、いまや「クレイジーなイノベーター」の地位を確立しています。

 

(中略)

 

 

大事なのは、

私が火星に行けるかどうかではなく、

数多くの人々が行けるようにすることだ

 

「イノベーションの成果は、普通の人間が利用できるものでなければならない」

はピーター・ドラッカーの言葉です。

世の中の大半はごく普通の人たちです。

どんなにすぐれた製品も、使い方が難しかったり、価格が驚くほど高くては、

普通の人の役に立ちません。

 

これでは本当のイノベーションは起こりません。

誰もが使えるもの、多くの人が手にできるものをつくり上げてこそ

真のイノベーションと言えるのです。

マスクがスペースXで取り組んでいるのは、

まさにごく普通の人が普通の人が火星に移住できるようにすることです。

 

宇宙旅行というと、かつてデニス・チトーが約20億円をかけて

国際宇宙ステーションに滞在したように、

どうしても大金持ちの道楽をイメージしてしまいます。

 

しかし、それでは普通の人々には宇宙旅行など望むべくもありません。

 

マスクの目指すものはもっと身近なものです。こう話しています。

「大事なのは、私が火星に行けるかどうかではなく、

数多くの人々が行けるようにすることだ」

 

マスクが目指すのは火星に8万人が移住できるコロニーを建設し、

1人当たり50万ドルくらい(カリフォルニアに家が買える値段)

で移住できるようにすることです。

イノベーションは普通の人にできてこそ、

本物のイノベーションと呼ぶことができるのです。

 

(中略)

 

 

すべての大木も元は小さな種。

大事なのは成長率だ

 

マスクが起業に踏み切った理由のひとつは「人類を救う」ことにあります。

 

前述のように、世界の石油産出量は2050年には枯渇の危機を迎え、

もしその時点でも人々が石油に頼る生活をしていたとすれば、

人々は電気を失い、移動手段を失うことになります。

その解決策としてマスクが立ち上げたのが、ソーラー発電の会社ソーラーシティ。

とはいえ、世界が諸手を挙げて太陽光発電に突き進んでいるわけではありません。

変わらず石油に依存する国もあれば、原子力を推進する国もあり、

国によって普及率には随分と差はありますが、

マスクはそんなことは気にも留めていません。

2011年、カリフォルニアにおける太陽光発電の普及率が

わずか1%程度であると指摘され、こう反論しています。

 

「普及率からすると、全体の1%程度だが、成長率は年率50%程度にものぼる。

つまり今後は1%が1・5%になり、それが2%、3%と伸びていく。

それにしたって普及率が低いと思うかもしれないが、すべての大木も元は小さい種。

大事なのは成長率だ。ソーラーシティの場合、年間2倍のペースで成長している」

 

こうした考え方はジェフ・ペゾスがアマゾンを創業した理由ととてもよく似ています。

 

人はとかく「いま」だけを見て判断する傾向がありますが、

成功する起業家は「いま」だけではなく

「未来の可能性」を見て判断を下しているのです。

 

(中略)

 

 

最初からそんな甘えたスケジュールに

すべきではありません。

そんなことをしたら、無駄に時間を多く

使うに決まってますから

 

スケジュールの立て方は人それぞれですが、

総じてアメリカの起業家たちはせっかちです。

スティーブ・ジョブズは「三ヵ月計画」について説明する社員に

「一晩で成果を上げてほしい」と要求していますし、

ジェフ・ペゾスは「いつまでにやればいいのか?」と尋ねる社員に

「すでに遅すぎるくらいだ」と言い放っています。

 

マスクも同様です。社員が立てた月間や週間の予定に対し、

「一日単位、一時間単位、分単位に落とし込め」と、

さらなるスピードアップを求めますし、

「モデル3」の開発に際しては、

同業他社が4~5年かけるところをわずか2年半で完成させるよう指示をしています。

なぜこんな無茶なスケジュールを組むのでしょうか。こう話しています。

「最初からそんな甘えたスケジュールにすべきではありません。

そんなことをしたら、無駄に時間を多く使うに決まってますから」

 

通常、スケジュールは自分たちの経験を元に少し余裕を持って立てるものです。

それでも予期せぬことが起こって遅れるわけですが、

マスクは「無茶に無茶を重ねてやっとできるかどうか」

というスケジュールを口にする傾向があります。

おかけでモデル3などは生産遅延による大混乱を引き起こすことになりましたが、

それでも「みんながもっとがんばればいいんだ」

と言い切るところに、マスクの強さがあるのです。

 

(中略)

 

 

ゆっくりやって利益を出すか、早く進めて

利益は二の次か。私は後者を選んだ

 

企業にとって「利益を出す」ことは至上命令のように考えがちですが、

利益よりも規模の拡大や顧客サービスの充実を優先すべきというのが、

イーロン・マスクやジェフ・ペゾスの考え方です。

 

アマゾンは創業以来、ほとんど利益を出すことなく

ひたすら事業の拡大に邁進することで今日の地位を築き上げています。

そこにあるのは、利益よりも成長を重視する姿勢です。

株主から利益率の低さを指摘されることもしばしばでしたが、

やるべきことが山とあるのに利益を出そうとするのは「愚かなこと」と一蹴しています。

マスクはペゾスのような言い方はしていませんが、

あるとき利益に対する考え方を聞かれ、こう答えています。

 

「事業を急拡大させ、大きな設備投資をしている間は、黒字化というのは難しい。

もちろん我々はそれらのペースを落とすことはできる。

そうすれば利益は確実に出る。

しかし、私が重要視しているのは、短気利益よりも、

EVを長期でよりいいものにして、生産を最大化させること。

これは単なる選択に過ぎない。

ゆっくりやって利益を出すか、早く進めて利益は二の次か。

私は後者を選んだ」

 

世間やウォール街にとっての正解が真の正解とは限りません。

自分が正しいと信じたなら、それが正しい答えであると、

そう信じて突き進むところにマスクの強さがあります。

 

 

 

2018年11月10日(土)

 

【編集後記】

 

イーロン・マスクは凄い!

この生き方に触れると、気持ちが高揚します。

 

まさに今、私たちが取り組んでいる「生保業界革命」と

共通するメッセージを抜粋してみました!

 

いやー、魂が震えます。

我々の組織も、もっともっとスピードを上げて成長・拡大していかなくては!

業界にイノベーションを起こし、「人類を救う」ために。

 

 

では、また来週号をお楽しみに!

 

 

本日も最後までお読みいただきまして、

ありがとうございました。

******************************

早川勝

【オフィシャルサイト】http://tsuitel.in

 

最新刊↓『営業の鬼100則』

https://goo.gl/dd1QQF

 

Bookサイト  http://tsuitel.in/books/index.html

 

【書籍案内一覧】↓

http://tsuitel.in/books/book_list/index.html

【人気シリーズ】↓

http://tsuitel.in/books

E-mail:hayakawa@tsuitel.in

ご感想、配信停止はコチラ↑

******************************

【883号】目的なき人生を生きる とかく人生はやかましい。人生ずっとは、がんばれない。

2018-11-04

 

 

「6刷目の増刷」決定の吉報が入りました!

『営業の鬼100則』は、これで「2万部」突破です‼

http://tsuitel.in/books/index.html

2万部という第一関門のバーをクリアでき、まずはホッとしています。

皆さまの応援のおかげです。本当にありがとうございます。

 

過去12作の拙著のなかで最も売れた、

「死ぬ気で働いたあとの世界を君は見たくないか」

「死ぬ気で働くリーダーにだけ人はついてくる」

(死ぬ気シリーズ4部作のパート「1」と「2」)http://tsuitel.in/books

を超えそうな勢いがついてきました。

『営業の鬼100則』は、まだ発売されて2ヶ月も経っていませんので、

初速ペースだけでみれば、死ぬ気シリーズを上回る売れ行き

まだまだ多くの読者のもとへ広がっていくのではと、期待に胸を膨らませています。

次なる目標は、死ぬ気シリーズを超える6万部突破!

そして死ぬまでには「100万部」突破のミリオンセラーを成し遂げたい!

と決意も新たな今日この頃。

 

「調子に乗るな」「浮かれるな」とお叱りを受けそうですが、

それが私の人生最大の夢。どうかお許しくださいませ。

 

土日は一歩も外に出ず、遊びの誘いはことごとく断り、

一年中の休日すべてを執筆に捧げています。

皆さんが旅行を楽しんだり、行楽やバーベキューに興じている間に、

私は部屋に引きこもり、「執筆」に没頭しているわけです。

(昼食は、部屋に運ばれてきて→食後は、空いた食器のトレイをドアの外に)

十年前に、ゴルフも一切やめ、キッパリと競馬もやめました。

最近は、家族でお出かけ、というのもほぼ皆無です。

(誕生日や記念日に、近所で外食する程度)

 

平日は、組織のミッションを担って全国を飛び回る多忙な日々…。

その疲れを癒すのは、休息やバカンスではなく、執筆への情熱なのです。

 

夢に向かって「重版」に浮かれている私ですが、

どうか、広い心で大目に見てもらえたらと思います。

 

 

 

以上、前置きはここまでといたしまして、

メインコンテンツに入ります。

 

本号も、お薦め書籍(685冊目)として、

ためになる一節を抜粋し、ご紹介いたします。

 

この本、深くてなかなか面白い。

 

本日のテーマは、【倫理学・満員電車の神社】です。

 

お役に立ちましたら幸いです。

それでは、どうぞ!

↓↓↓↓↓↓↓

私の本よりためになる「お薦め書籍」シリーズ No.685

『目的なき人生を生きる』

とかく人生はやかましい。

人生ずっとは、がんばれない。

『小さな倫理学』の倫理学者による、解放の哲学

人生を意味だらけだと思うと、

「つまずきの石」につまずく。

死ぬまで競争? 勘弁して。自己実現など、小賢しい。

終活、就活、余計なお世話。

それでも世間はやかましい。

社会に煽られ、急かされ続ける人生を、

一体いつまで過ごせばいいのか。

「人生に目的はない」。

そう考えた方が豊かな人生が過ごせると、

“反倫理”を倫理学者が真面目に提示する。

山内志朗 著

角川新書

 

 

人間の基本的本性が利他心に溢れるものだったら、

人間世界は争いも少なくなって、もっと生きやすいはずなのに、とつくづく思う。

しかし、現実には、国家や民族の間で憎悪まみれの殺し合いは起こるし、

住宅でも隣同士で諍いが起こるのは日常茶飯事である。

 

利己心やエゴイズムや攻撃性を否定するのが、倫理学ということになっている。

だが、人間の本性が、敵対するものを倒すことによって生き延びることを

含んでいるとすると見え方は異なってくる。

だからこそ、人間の本性についての性善説とか性悪説とかいう整理を見ると、

倫理学的猫じゃらしに見えてきて、不愉快になってしまう。

 

敵対するものへの攻撃を本質とする心のあり方が「政治的なもの」であり、

そこに人間の本質はあり、人間を行動に駆り立てるのだ、という捉え方がある。

政治学者カール・シュミットの主張だった。

 

「幸せ」を求めるとなると、具体的にどう行動すればよいのか、

段取りが見えてくるわけではない。

ところが、敵を倒すためにどうすればよいのかとなると、

人間は頭も行動も機敏になって、そのやり方はとたんに具体的に分かりやすくなる。

 

「政治的なもの」を踏まえた行動指針の方がずっと分かりやすいのだ。

幸せになるのは苦手でも、いじめるのは得意で上手なのだ。

 

世の中ではアグレッシブな人間ほど行動的であり、

他者との関係を築くことに長けている。多くの人と知り合いである。

人間好きとは、権力関係の顕示であり、

知り合いが多いのは、権力の大きさを示すことになる。

 

他者を破壊し、食糧として食べてしまおうとする攻撃性は、

人間のように食糧を確保する技術を豊富に持った生き物はあまり発揮しなくてもよい。

養殖漁業でも農業でも飲食店でも、破壊性としての攻撃性は必要でない。

他者を巻き込むための攻撃性が、アグレッシブということだ。

 

そして、その根っこにある攻撃性を忠実に残している文化的営為が「笑う」ということだ。

集団の中で、一番大声で笑うのは、一番権力を持っている者である。

つまらないダジャレでオヤジが笑うとき、権力者の笑いこそ、一番大声であり、

笑うことの強制を含んでいるのだ。

これを見ると、笑いの権力論的構造がよく分かる。

テレビのお笑い番組は、権力を学ぶための家庭内学習、宿題みたいなものだ。

 

人間の攻撃性と暴力性に対して、見て見ないふりをして、

善意や隣人愛だけ語っていても、それは善意や悪意を搾取・濫用・収奪することで、

自己の利益を増やし、自分だけ肥え太ろうとする人間本性を放し飼いにすることになる。

 

「悪」もまた贈り物であり、その制御を目指すことこそ、求められる道なのだ。

悪しか見ない倫理学が暴虐だとすれば、

善しか見ない倫理学は脆弱に過ぎるのである。

 

(中略)

 

ここは朝のラッシュアワーのプラットホーム。

満員電車のドアが開く。この人混みはいったい何だ。

こういう事態に慣れ親しんではならないと自分を戒める。異常な事態だから。

後ろからはアタッシュケースに角にお尻をつつかれ、

前からは膨れ上がったバックパックに顔を殴られる。

つり革をつかみ取ろうとする無数の肘によるエルボーパンチ。

私は身も心もフラフラになる。

 

心は体をさまよい抜けて空想を始める。

「わが身よりあくがれ出づる魂」の登場である。

人々がゾロゾロと降りてくる。そしてその入口の両端に人々が待ち構え、

降りるのが終わると人々が列をなして乗り込んでいく。

 

この光景はどこか別のところで見たことがある。

そうだ。初詣のときだ。

人混みと押し合いへし合い、人間だらけだ。

満員電車のドアが開いた様子は、大きな神社へと続く参道のようだ。

入口のところにはコマ犬がいる。

じっと動かず、出る人にも入る人にもジャマになるように鎮座している。

入口の両脇の手すりを握ったまま、絶対離さないぞとしがみついている。

コマ犬の優先地域を担う人は車内にも車外にも溢れている。

 

ときには参道の真ん中に仁王様が立っている。

流れに逆らい降りる人の流れをせき止め、

今度は乗る人の流れもせき止めるのだから、仁王様としては勤勉である。

しかも、電車の乗り降りを、通勤通学者のために修行の場にしているのだから、

合掌してお参りするべきだ。

 

さらに楽しいことには、電車の中には哲学ファンがたくさんいるようだ。

なにしろ、一度手にした物は手すりであろうと離さない人々をたくさん発見できるからだ。

その一つに「スピノザのつり革」がある。

哲学者のスピノザの『エチカ』には、コナトゥスの説明として、

「いかなる事物もそれ自体である限り、自らの存在を維持し続けようとする」

(スピノザ『エチカ』第三部定理六)とある。

『エチカ』の説明を読むと難しそうだが、

要するに、つり革も一度手にしたら話したがらない、ということだ。

これが「スピノザのつり革」である。

その奪い合いを肘で頭を殴られないようによけながら、じっくり鑑賞しようではないか。

 

ともかくも人間的環境を逸脱したとしか思えない朝の満員電車も、

霊場巡りの一種と考えれば、

霊場巡りを趣味とする身には少しはその時間を楽しむ術が見つかる。

 

(中略)

 

朝方、品川駅のホームで、二人の女性が、

「殴っただろ、謝れ」「何をいいがかりつける!」とつかみあいののけんかをしていた。

これが、こういうことのあふれている場所が都会だ。

都会は孤独で暴力的だ。言葉で打倒し仕留める、狩人型言葉攻撃があった。

言葉による「瞬殺」、それが都会の狩人達の目標だ。

 

夜遅く酔っ払いの二人がすれ違いざまにぶつかって、無言のまま殴り合い、

二人とも線路に落ちてさあ大変、という光景も見たことがある。

 

駅の雑踏を静かな羊の群れと見てはいけないことを何度も習った。

 

人間は一人一人が神社みたいなものだ。

 

個人の尊厳という言い方はあるが、

これは軽んじれば祟りがあるということだ。

 

朝のラッシュの電車は、神様で満員の乗り合い電車ということなのだろう。

 

「触らぬ神に祟りなし」という諺がある。

朝のラッシュに当てはまりそうだ。

 

満員電車は形而上学の教室だ。見よ!

 

 

(中略)

 

目の前に大きな箱が出され、

「この箱の中には或る食べ物が入っています。何だか教えません。

それでは、あなたはそれを食べたいと思いなさい」

と言われて、旺盛な食欲を持つことができるのか。

「がんばって生きよう」という掛け声には、同じような響きがある。

欲望を駆り立てる流れは「好き好き大嫌い」という道筋を通りやすい。

あれほど好きだった気持ちが途中で大嫌いに転じてしまう。

 

幸せも同じようなところがある。

「幸せですか」という問いは、自分に対してであれ、ほかの人に対してであれ、

それほど頻繁になされるとは思えないが、珍しいものではないだろう。

しかし、幸せでないことから、幸せに変わっていくことは、

ツベルクリン反応が陰性から陽性に、否定から肯定に転じることではない。

 

「幸せですか」という問いの答えが、「はい」か「いいえ」か二つに一つだと考えるのは、

倫理学を日常生活に適用することが合理性の涵養向上に資すると考える、

論理屋さんだろう。

 

正しい答えは「幸せだけれど、幸せでない」ということしかないと私は思う。

 

すべての面で満ち足りていて、不満がなくて、

ありとあらゆる点で幸せだというのであれば、生きていても仕方がない。

それ以上よくなることはないから、それからどんどん不幸になっていくから、

結局生きている必要はないかもしれない。

 

「幸せ」とは、目指されるべき理想的状態というよりも、

今進んでいる道筋、その進み方について、このままでよいのか、問題点はあるのか、

その問題点をどうすべきなのかといった、現状の評価と今後の方向性を示す目印なのだ。

 

倫理学において、「徳」という概念が持ち出されるが、

これまた理想的到達点ではなく、現状を評価調整するための指標なのだ。

 

 

 

2018年11月4日(日)

 

【編集後記】

ソフトバンクが日本シリーズを制覇しましたね!

ホークスファンの皆さま、誠におめでとうございます。

私の予想通り、リーグ2位の球団が制する下剋上シリーズとなりました。

 

カープファンは残念無念。結局、平成30年間で一度も日本一になれず…。

今年もまた、ペナントレースでの勢いを生かすことができませんでした。

そう、チームの武器である「機動力」を封じられたのが「敗因」です。

 

「8度の盗塁を試みてすべてが失敗!」というのはシリーズ新記録らしい。

ホークスの甲斐捕手の「鬼肩」はもの凄かったですよねー(6連続アウト)。

まさに〝甲斐キャノン〟炸裂でした!

甲斐選手の打撃成績は、たった2安打の打率1割4分という低打率で、

しかも、打点は「0」であったにもかかわらず、

守備だけで「MVP」を獲得したことからも、

どれだけ大きな貢献度であったのかを計り知ることができます。

 

甲斐選手は大分の楊志館高校から「育成ドラフト6位」で指名された無名の捕手

その無名の逸材を発掘したスカウトの眼力こそが、

チームを日本シリーズ制覇へと導いた大きな要因であったと言えるでしょう。

 

ドラフトどころか育成ドラフトにおいても下位まで指名されなかった、

いわゆる「どこの球団からも相手にされなかった選手」ということです。

 

支配下登録されるまでに(百番台の背番号で)3年を擁しましたが、

まさに「育成」され、その実力がこうして開花したわけです。

 

やはり、どの組織にとっても、大事なのは、

「スカウト(採用)」と「育成(教育)」ですね!

 

 

では、また来週号をお楽しみに!

 

本日も最後までお読みいただきまして、

ありがとうございました。

******************************

早川勝

【オフィシャルサイト】http://tsuitel.in

 

最新刊↓『営業の鬼100則』

https://goo.gl/dd1QQF

 

Bookサイト  http://tsuitel.in/books/index.html

 

【書籍案内一覧】↓

http://tsuitel.in/books/book_list/index.html

【人気シリーズ】↓

http://tsuitel.in/books

E-mail:hayakawa@tsuitel.in

ご感想、配信停止はコチラ↑

******************************

 

Copyright(c) 2010 HAYAKAWA, Masaru All Rights Reserved.