【854号】戦争と平和 『永遠の0』の著者が放つ圧倒的説得力の反戦論!

2017-12-24

 

本日の配信を持ちまして、2017年のラストメッセージとなります。

 

早いもので、あと一週間で今年も終わろうとしていますが、

最後に一つ、年明け早々のグッドニュースをお伝えしておきますね。

 

来たる1月15日(月)19時~20時

ぜひとも皆さんには、その時間帯・・・、

スマホを手に取っていただくか、パソコン前に陣取ってほしいと思います。

(手帳にメモっておいてください)

 

なぜなら、このたび私早川に講師として、

オンライン動画学習サービス「Schoo(スクー)」より、

番組への出演オファーがあったからです。

 

「Schoo(スクー)」というのは、

オンライン動画で学べる国内最大の生放送コミュニケーションサービスで、

30万人以上の会員へ大人の学習コンテンツを提供しています。

 

実は、拙著「やる気があふれて、止まらない」を読んだ番組のディレクターさんが、

目から鱗が落ちるほどの感銘を受けてくださったようで(ご本人談)、

このたびの依頼となった次第です。

 

となれば当然、私が担当する授業のタイトルは、

『やる気があふれて止まらない 9つの習慣』となりまして、

新刊「36の習慣」の中から9つのメッセージを厳選し、お届けすることに!

 

もうすでに新刊を読破している予習済みの方も、

まだ読んでいないという「やる気初心者」の方も、

ライブ感覚でのトークを存分に楽しんでいただけるのではないでしょうか。

 

当日、渋谷のスタジオでは、共演の「美人アナウンサー」が、

生放送授業の進行をサポートしてくれるらしいので、

軽妙な掛け合いも楽しんでいただけるのではないかと思います。

 

皆さんからも、1時間の生放送授業中は、私へ質問のコメントをしたり、

他のユーザーと一緒に楽しく学ぶこともできるそうです。

 

早川勝の授業紹介ページは、コチラです↓

https://schoo.jp/class/4748?admin=KGKjRS6ZSd0SVZ8OkV8HEg%3D%3D

「やる気があふれて止まらない9つの習慣」

 

どなたでも、無料の会員登録をすれば、視聴できます

メールアドレスまたはFacebookアカウント、Yahoo! IDを使用すれば、

登録は簡単、3分で済みます。

 

「受けたいボタン」を押すと、リマインドメールが届き、

忘れず受講することもできます。

 

生放送はすへて無料で視聴ができますが、当然ながら録画はできませんので、

別の日に見たい人や、繰り返し視聴したい場合は、

有料会員(月々980円または1980円)になる必要があります。

 

ぜひ、1月15日(月)19時からの「生放送」をお見逃しなく!

(年明けにも、直前のメルマガ等でリマインドいたしますが…)

 

しばらくお会いしていない方には、

久しぶりに「生」の早川勝がご挨拶させていただけますね。

オンラインでの再会を楽しみにしております。

 

スクーでは、そのほかにも、たとえば次のような授業があります。

 

12月25日(月) 21:00 – 22:00

▼「1分でも早く帰りたい人のための時短仕事術 #5 PowerPoint編」

https://schoo.jp/class/4479

 

12月26日(火) 19:00~20:00

▼「マジ文章書けないんだけど -朝日新聞ベテラン校閲記者が毎月教える一生モノの文章術-」

https://schoo.jp/class/4469

 

12月27日(水) 21:00 – 22:00

「ミニマインドマップ -ランダムで自由な連想から発想を拡げる方法を学ぶ-」

https://schoo.jp/class/4637

 

12月28日(木) 21:00 – 22:00

「いま、ビジネスパーソンが見るべき映画 -ホロコーストを描いた作品から学ぶ-」

https://schoo.jp/class/4569

 

12月29日(金) 19:00 – 20:00

「Touch Designerが創り出すクリエティブの未来」

https://schoo.jp/class/4755

 

12月30日 20:00-21:00

スクー大忘年会 -受講生代表と共に今年の学びを振り返る-

https://schoo.jp/class/4669?ref=nlna

 

▽今週の全授業がわかる時間割はこちら

https://schoo.jp/calendar?ref=nlna

 

ほかにもたくさんのためになる番組が目白押しですよ。

ぜひ、ご覧になってみてください。

 

実は有り難いことに、その数ある授業の中から、

1月15日放送の「やる気があふれて止まらない9つの習慣」を

ピックアップ授業に選出していただきました。

https://schoo.jp/class/4748

 

その月で人気が出そうな授業が5つだけ選ばれ、

サイトのTOPページやスクーのメールマガジンで

イチ押しコンテンツとしてPRしてくれるとのこと。

 

さてさて、いったいどんな番組になるのか、

ぶっつけ本番ですが、暴走しないように気をつけながら、

「究極のモチベーション」を発信していきたいと思います。

 

皆さん、どうぞお楽しみに!

 

 

今年を振り返ってみると、このような機会にも恵まれて、

かつてないほどの最高の一年でしたね。

それもこれもすべては皆様のご支援のおかげでございます。

 

そして、何よりも素晴らしい仲間たちに恵まれ、

こうして家族共に健康で、平穏な年の瀬を迎えていることに、

感謝の気持ちで胸がいっぱいです。

 

昨年、ゼロからスタートした業界初の直販チャネルは、

200名近い組織に成長しました。

「生保業界の変革」という歴史的取り組みでありながら、

計画以上の高い生産性を維持しています。

 

そして、ライフワークである執筆活動においても、

11作目(海外翻訳版も含めると12作目)を出版することができました。

http://tsuitel.in/books/book_list/index.html

 

Wikipediaにて〝ライフワーク”の意味を調べてみると、

次のように説明されていました。

作家の本田健は、「ライフワークとは、

自分のなかにある《幸せの源泉》から湧き出る情熱を使って自分らしさを表現し、

まわりと分かち合う生き方」と定義している。

 

「幸せの源泉」とは、そこにつながるだけで、本人が幸せになるようなこと。

その人らしい本質で、静かなワクワクを感じ、つきることのない情熱がある場所である。

 

また、作家の外山滋比古は、「ライフワークとは、

それまでバラバラになっていた断片につながりを与えて、

ある有機的統一にもたらしてゆくひとつの奇跡、

個人の奇跡を行うことにほかならない」と述べている。

 

その人にしかできない、一生をかけてする仕事や事業、

それがライフワークである。

(以上、Wikipediaより引用)

 

まさに私にとっても、「生保ビジネス」と「執筆」という二刀流は、

〝ライフワーク〟なのだなぁとつくづく感じ入る〝奇跡の一年〝でした。

 

皆さんの応援のおかげであると心から感謝しております。

本当にありがとうございました。

 

来年もワクワク感があふれて止まりません。

引き続き平成三十年も、皆様のお役に立てるメッセージを発信してまいる所存です。

より一層のご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 

来年も皆様のご健勝とご多幸をお祈りしております。

やる気があふれて止まらない よい年をお迎えください。

http://tsuitel.in/books

 

 

 

以上、年末のご挨拶はここまでといたしまして、

メインコンテンツに入ります。

 

本号も、お薦め書籍(682冊目)の中から、

ためになる一節を抜粋し、ご紹介いたします。

 

本日のテーマは、

【平和】

です。

 

お役に立ちましたら幸いです。

それでは、どうぞ!

↓↓↓↓↓↓↓

私の本よりためになる「お薦め書籍」シリーズ No.682

『戦争と平和』 

『永遠の0』の著者が放つ圧倒的説得力の反戦論!

日本人は戦争に向いていない民族であった

百田尚樹著

新潮新書

 

 

米軍に奪われたガダルカナル島の飛行場を何としても奪還しようと考えた日本軍は、

ラバウル航空隊を毎日にようにガダルカナル島に向けて出撃させました。

その主力は一式陸上攻撃機(一式陸攻)という爆撃機で、ゼロ戦はその護衛です。

 

ところがこの攻撃は搭乗員たちに恐ろしい負担を強いるものでした。

というのはラバウルからガダルカナルまでの距離は約一〇〇〇キロもあったからです。

一式陸攻もゼロ戦も長大な航続距離を誇る飛行機でしたが、

それでも往復二〇〇〇キロはギリギリです。

 

片道三時間以上、往復七時間近く飛行機に乗り続けるわけですから、

この過酷さは想像もできません。

ゼロ戦の搭乗員たちは民間航空のパイロットとして操縦しているのではありません。

狭い操縦席で大変なG(重力)に耐えながら、極限の緊張状態で操縦するのです。

これがどれだけ大変なことか、自動車を運転する方ならばよくおわかりでしょう。

現在の快適な自動車であっても、六時間休憩なしで運転し続けるのは大変です。

ましてやいつ敵に攻撃されるかという緊張感を保ち続けなくてはならないのです。

 

いかに世界最高峰のパイロットといえども人間ですから、

こんなことを連日やらされたら、体がもつはずがありません。

しかもゼロ戦の場合は、ガダルカナル上空において敵戦闘機との空中戦があります。

しかし空中戦ができる時間はわずか数分です。

空中戦は大量に燃料を消費するので、

一〇分以上続けると、帰りの燃料がなくなるのです。

 

ラバウルが「搭乗員の墓場」と呼ばれた時代、

そこで生き残った本田稔さんというゼロ戦パイロットの方に、

ある時、お話を伺ったことがあります。

撃墜王でもあった本田さんはこんなことを仰っていました。

 

「おそらく撃墜された搭乗員よりも、

燃料切れで墜落した搭乗員や、

途中の洋上飛行で疲労困憊のあまり海に墜落した搭乗員のほうが

圧倒的に多いでしょう」

 

実際に、本田さんは目の前で海に墜落していく仲間を何人も見ておられます。

横に並んで飛んでいた飛行機がゆっくりと高度を下げていく――

疲れ切った搭乗員が眠っているのです。

目を覚ませ! 落ちるぞ! と思ってもどうすることもできないのです。

そうして海に落ちていった飛行機を、本田氏は何機も見たと言いました。

 

(中略)

 

このような過酷な作戦に投入するゼロ戦に、

日本海軍は連日のように熟練搭乗員を起用しました。

困難なミッションだからということもあるでしょうが、飛行機が大事だったからです。

高額な飛行機を簡単に落とされては困る。

若い未熟な搭乗員に任せるとそのリスクが高くなる、という計算があったのです。

 

その結果、熟練搭乗員は酷使されます。

当時の戦闘記録を見ると、一週間に五回とか六回出撃したという例まで見られます。

常識的に考えて、いくらなんでも無理です。

普通七時間近くも飛行したら、次の日は体なんか動きません。

それなのに、「明日も行け」と命令が出る。さらに翌日も。

こんなことが続けば、熟練搭乗員の能力も低下することは避けられません。

 

また彼らはガダルカナル上空での空戦にも大きなハンデを背負っていました。

前述した数分という空戦時間もその一つですが、

帰路の燃料をたっぷりと積んでいるだけに、重い機体での戦いとなるからです。

 

一方、迎え撃つ側のグラマンF4Fは身軽です。

ホームタウンでの戦いですから、燃料は少なくていいのです。

その分、目いっぱい戦える。

しかも、いざとなったら落下傘(パラシュート)で基地近くに降下できます。

 

これほどのハンデを背負ってもゼロ戦はグラマンF4Fと互角以上に戦いました。

いかに熟練搭乗員が操るゼロ戦が強かったかがわかります。

 

しかし、どれだけ世界最高峰の飛行機と搭乗員を持っていても、

これだけ不利な状況で消耗戦を続けていては、長期的に見た場合、勝ち目はありません。

 

当時の司令部が何を考えていたのか、理解に苦しみます。

 

一部の働ける人間をとことん使い尽くすというやり方は、

最近のブラック企業に通じるものがあると感じます。

 

(中略)

 

日本軍の場合、遠方に出撃する搭乗員は落下傘すら持たずに出撃していました。

自軍近くでの迎撃戦では落下傘を搭載していましたが、

それ以外の時は、戻ってこられないならば死を選べということだったのです。

だから攻撃を受けて、自軍の基地に戻れないとなると簡単に自爆していました。

捕虜になるくらいなら死んだ方がマシだ、と考えたわけです。

 

アメリカ軍は、普通レベルのパイロットですらとことん大事にしました。

ゼロ戦よりもグラマンの方が防御能力が高かったことはすでに説明しましたが、

アメリカ軍では飛行機が撃墜された時の対策もきちんと考えられていました。

 

パラシュートを積むのは当然でしたし、

グラマンF4Fには水上に不時着したことも考えて救命用のゴムボートや救急セット、

海水を真水に変える装置まで積んでいました。

 

さらに笑い話のようですが、釣竿まで用意してありました。

いざとなったら魚を釣って生き延びろ、ということです。

救命ボートの中には無線も積んでいるので、救助を求めることもできます。

実際にアメリカ軍の場合は、たった一人のパイロットを救うために

潜水艦が出動することも珍しくなかったのです。

 

さきほどゼロ戦の無茶苦茶なブラック職場ぶりをご紹介しましたが、

もちろんそのようなこともアメリカでは考えられません。

 

戦闘機や爆撃機の搭乗員は、一回出撃すれば何日間かは休みが与えられますし、

何ヶ月か最前線の勤務を続けると、後方勤務に回されることになっていました。

 

これならば、パイロットの疲労も少ないので、集中力も能力も十分に発揮できますし、

「あと〇日で後方勤務だ」とわかっていれば、

何としても生き延びようと気合も入るというものでしょう。

 

ここは日本との大きな違いです。

日本軍の場合、毎日のように使われ、しかもそれがいつ終わるかもわからない。

極限の緊張が連日続き、先が見えない――こんな状態では集中力が落ちますし、

心の底に一種の厭世観を抱いてしまうのではないでしょうか。

 

つまり「どうせ、いつか死ぬ」という気持ちになり、

やがては死を前提にして戦うということになります。

 

日本軍に限らず、ドイツ軍も似たようなところがあったようです。

 

なぜ、アメリカ軍はパイロットの命を大事にしたのか、

これはアメリカのヒューマニズムと思われていますが、実はそれだけではありません。

 

そこには彼らなりの冷徹なコスト計算があったのです。

彼らはパイロット一人を育成するのに、

どれだけのお金と時間がかかっているのかを冷静に見ていました。

パイロット一人を失うということは、その養成にかけた時間と費用、

すなわちコストを無駄にしてしまうという考え方です。

 

だから、パイロットを助けるのに少々のコストをかけても十分に見合う、

というのが彼らの基本的思想なのです。

これは極めて合理的な考え方です。

 

それだけではありません。

彼らパイロットが撃墜された経験も貴重な知見になるのだと考えていました。

 

仮に何らかのミスが原因で撃墜されたとしても、

それを教訓としてフィードバックすればいいということです。

「俺はこういうことをやって、やられてしまったから、次からはやってはいけない」

といった教訓を共有できるようにしたのです。

また敵の攻撃方法も共有できます。

 

彼らの人命救助は徹底しています。

B29はマリアナや硫黄島から日本を空襲するために出撃しましたが、

その間の海上には何十隻も潜水艦が配備されていました。

その間に不時着したら、すぐに救助できるようになっていたのです。

 

実際に潜水艦によって助けられたB29の乗員は二〇〇〇人以上とも言われています。

アメリカ軍は撃墜されたパイロットたちから、その時の状況を聞き出し、

その教訓を防御に反映させました。

 

この発想は日本にはありませんでした。

搭乗員はやられたらそれでお終いです。

 

日本のやり方が非常に不条理なのは、少数精鋭の搭乗員を育てながらも、

彼らを使い捨てていく戦法を取り続けたことです。

 

私の友人で会社を経営している人から、面白い話を聞いたことがあります。

彼の会社には、ずば抜けた成績を挙げるエース級の営業マンがいるそうです。

彼一人で営業所がもっているというくらいの存在だといいます。

 

「ということは、そういう人間を何人か作れば、会社がうまくいくなあ」

私がそう言うと、友人は即座に否定しました。

 

「百田さん、それは違うんや。

エース級の営業マン一人で成績がグーンと伸びるような事態は、

実はとても怖いことなんや。

だって、そのエースがいなくなったら、ガクッと成績が下がることになるから。

エース一人に頼るようなシステムは危険だから、

企業はそういう構造にしたらあかんねん。

エース以外の人間でも一定の成績を挙げられるようなシステムを作らないと、

会社はもたないんや」

 

なるほどなあ、と思いました。

これは日本軍とは正反対の考え方です。

 

しかし、一部の優秀なエースに頼る、あるいは彼を酷使するというやり方は、

今でも日本社会の中に根強くあるような気がします。

 

私の知る出版業界やテレビ業界を見ていても、エース級の人に仕事が集中して、

 

彼らを使いまわしているような事例はいくらでもあります。

いったん仕事ができるという評価が下されると、

「あれもやれ、これもやれ」となるのです。

 

この話から日米のプロ野球の違いを連想される方も多いかもしれません。

かつての日本のプロ野球では、「投手の肩は消耗品」という考えがなく、

エースはとにかく連投させるという悪しき伝統が長い間続いていました。

 

西鉄ライオンズ時代の稲尾和久投手は、「神様、仏様、稲尾様」の言葉で有名ですが、

昭和三三(一九五八)年の日本シリーズでは何と七試合中六試合に登板、

うち四試合は完投しています。

 

中日ドラゴンズの権藤投手の連投ぶりを評した

「権藤、権藤、雨、権藤、雨、雨、権藤、雨、権藤」という言葉も有名です。

 

ちなみに、稲尾投手は二六歳のときに肩を壊し、

権藤投手も二年でつぶれました。

他にも酷使のせいで若くして投手生命を失った投手はいくらでもいます。

 

一方、MLB(大リーグ)では投手のローテーションも守り、

彼らの肩が消耗しないように細心の注意を払ってきました。

MLBの厳しい球数制限はご存知でしょう。

 

話を大東亜戦争に戻しましよう。

戦況が悪くなるにつれて、日本では海軍も陸軍も、合理主義がどんどん影を潜め、

精神論が幅をきかせるようになってきます。

 

兵力の不足は精神論で補える、という理屈です。

 

いまでも企業やスポーツ関係者に「根性が足りないから出来ないんだ」

ということを言う人はいます。

肉体的限界は精神でカバーせよ、ということです。

 

私は精神力も根性も否定しません。

しかし、そこには限界があることは明らかですし、

ましてや戦場においてはまず合理的な思考に基づく戦術が優先されるべきでしょう。

 

(中略)

 

ここでいったん戦場から視点を変えて、

ゼロ戦がどんな環境で作られていたかを見てみましょう。

ここにも日本の持つ欠点が如実に現れているからです。

 

ゼロ戦を製造していたのは、名古屋にある三菱重工業の工場でした。

問題は、その工場には飛行場がなかった点です。

そのため、ゼロ戦を飛ばして基地まで運ぶことができませんでした。

 

ではどうしたかといえば、せっかく作ったゼロ戦をいったんバラバラに分解して、

荷車に積む。それを牛に引かせて、

約四八キロ離れた岐阜県の各務原飛行場まで一昼夜かけて運んだのです。

一機を荷台三台に分解して載せて、牛三頭に運ばせたと伝えられています。

 

なぜトラックではなく牛なのかといえば、道が舗装されていなかったためです。

車で急いで運んでガタガタ揺れると、精密機械である飛行機が痛んでしまうからです。

そして、この状況は、昭和一五(一九四〇)年の初飛行から

昭和二〇(一九四五)年のポツダム宣言受諾まで、ずっと変わりませんでした。

 

こんなことが信じられますか。

普通ならば、飛行場の隣に工場を作るか、

工場の隣に飛行場を作ることを考えるはずです。

そうでなければ、工場と飛行場の間の道路を舗装して、

車が使えるようにしてもいいでしょう。

 

しかし、当時は道路の舗装すらしなかったのです。

狭い道をカーブするのは一苦労で、

そのために電信柱を動かすといったこともあったそうです。

ちなみに、ゼロ戦に限らず、より大きな一式陸上攻撃機には荷車一三台、

つまり牛一三頭で運んだそうです。

 

なぜこんな馬鹿げたことが続けられたのか――

一言で言えば、原因は日本の縦割り行政の硬直化です。

 

つまり、工場はあくまでも民間のものですが、飛行場となると軍の管轄になるし、

さらに道路を管理するお役所はまた別という具合に、

すべて、管轄が異なるわけです。

だから調整が進まなかったのです。

 

何とも間抜けな話で、

本来は全体を統括する部署なり官庁なりがあれば済む話なのですが、

そうはなりませんでした。

それで、終戦までずっと牛に頼る羽目になったのです。

 

こういうことは、今でも見られる日本の欠点でしょう。

 

(中略)

 

 

第二次世界大戦が始まった時、

スイスはあらためて「中立国」であることを世界に宣言しました。

 

スイス国土に侵入した他国軍には徹底抗戦し、

スイス領空を侵犯する他国軍の航空機は、

連合国側、枢軸国側を問わずすべて撃墜すると宣言します。

実際に、終戦までに二〇〇機を超える飛行機を撃墜あるいは強制着陸させています。

 

ただ、スイス空軍もまた多大な犠牲を払い、終戦期にはほぼ空軍は壊滅状態でした。

しかしヨーロッパ中が火の海になったあの大戦争において、

スイスの国土だけが戦火から免れたのです。

 

またスイスは、仮に他国の軍隊により国土が侵略され、

国家の存立が絶望的になった時は、国内のあらゆるインフラを爆破などにより破壊して、

侵略者に何も与えないとする焦土化作戦を計画していました。

実はこの姿勢は二一世紀の今も変わっていません。

 

スイスは現在も約二一万人の軍人を擁する軍隊を持っています。

ちなみに日本の自衛隊員は約二三万人ですが、

日本の人口が約一億二〇〇〇万人に対して、

スイスの人口は約八二四万人です。

 

スイスは日本の人口の約一五分の一以下なのに、

日本と変わらないくらいの軍隊を持っているのです。

もし日本がスイスと同じくらいの人口比率で軍隊を持てば、

三〇〇万人という規模の軍隊になります。

 

スイスの男性は全員徴兵義務を負っています(女子は任意)。

国内のいたるところに岩山を切り抜いた軍事基地が作られ、

国全体を要塞化しています。

 

国境近くの橋やトンネルには有事の際に

道路を破壊するための爆薬が仕込める作りになっています。

一九九六年以前は市民が家を新築する場合、

核シェルターの設置が義務付けられていました。

 

また兵役を終えた男性は予備役兵として登録され、

自動小銃が貸与され、予備役の立場を離れるまで各自で保管しています。

かつては、弾薬と手榴弾も貸与されている時代もありましたが、

現代では弾薬などは国が保管しています。

 

二十世紀末にソ連が崩壊して、東西冷戦が終わり、

ヨーロッパでは戦争の危機は大幅に減りました。

それでスイスも二一世紀に入ってから、

徴兵を義務から任意にしてはどうかという意見が起こり、

国民投票が行われました。

 

ところが、多くの国民が「まだ徴兵は必要である」と、

任意にするという案を否定したのです。

 

どうですか。

美しいアルプスの牧羊の国というイメージのあるスイスですが、

これほどの覚悟で国防を考えている国家であることは、

多くの読者はご存知なかったのではないでしょうか。

 

驚くのは、これが二〇〇年以上も戦争をしていない国ということです。

 

スイスは平和というものを、いかにして守り抜くか

ということを知っているリアリストの国なのです。

 

世界の要人が使っているというスイス銀行も、

あるいは国防のためにあるのかもしれません。

 

(中略)

 

物理学の法則や数学の公式は、絶対不変です。

一〇〇年経とうが一〇〇〇年経とうがまったく変わりません。

1+1は永久に2です。

 

しかし法律というものは、人類共通の公式があるわけではありません。

それは国や民族によって法律が違うことからもわかります。

また同じ国であっても、時代が変われば法律も変わります。

現代の日本が江戸時代の法律でやっていけるわけがないのは誰が考えてもわかります。

江戸時代であっても平安時代の法律ではやっていけません。

 

これは憲法も同じです。

時代の変化、国民の生活や意識の変化、また国際社会の変化に伴って、

修正していくものであるのは当然です。

 

ところが日本国憲法は施行以来七〇年が過ぎても、一字たりとも変わっていないのです。

 

これがいかに異常なことかは世界の憲法が見ればわかります。

世界中の国は戦後においても何度も憲法を変えています。

二〇一七年現在、アメリカは六回、フランスは二七回、

カナダは一九回、韓国は九回です。

ちなみに、日本と同じく占領軍に憲法を押しつけられたドイツは六〇回も改正して、

自分たちの憲法に作り変えました。

 

日本国憲法に関して、面白い話が残っています。

日本国憲法が施行されてから、三七年後の一九八四年、

憲法学者の西修氏がアメリカに渡り、

日本国憲法の草案を作った元GHQ民放局のメンバーの何人かに会って、

当時のことを訊ねています。

 

この時、会った人全員が、一様に言った言葉があります。

 

「えっ、君らはまだあれを使っているのか?」

 

彼らは、日本が四〇年近く経っても、

自分たちが作った憲法を使っているとは夢にも思っていなかったのです。

 

しかも憲法の専門家でもない自分たちが、

たったの一週間でまとめあげたものなのですから。

 

しかしもっと驚くべきは、それからさらに三〇年以上経っても、

日本国憲法はそのままの状態だということです。

 

ちなみにGHQの民放局が一週間で作った草案は二日で訳されたと言われています。

それで文章におかしなところがいくつもあります。

たとえば、前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、

われらの安全と生存を保持しようと決意した」という文章ですが、

文法的には「公正と信義を信頼して」が正しい表現です。

でも、これさえも直っていません。

 

 

2017年12月24日(日)

【編集後記】

 私は長らくスイス系の金融機関に勤めておりましたので、

「スイスは永世中立国ですから安心です!」

というトークで営業していたことを思い出しました。

 

しかし、スイスの軍隊がこれほどの規模とは…、

しかも徴兵制を国民が望んでいるとは…、

まったく知りませんでした。

 

こうして、〝平和な日本〟で年を越せることに感謝しつつも、

私たちは今、日本海にミサイルが向けてられている不安と混迷の時代を生きています。

 

子どもたちがずっと笑顔でいられる日本の未来のために

何としても戦争を回避し、これを抑止しなくてはなりません。

 

これから私たちはもっと「憲法」についての正しい理解を深め、

改めて一人ひとりが真摯に向き合う必要があるのではないでしょうか。

 

 

さて、大晦日は、メルマガ配信をお休みしますので、

これが今年最後のメルマガ配信となります。

 

今年も一年に渡り、毎度のロングメールにお付き合いいただきまして、

誠にありがとうございました。

 

では、新春2018年にお会いしましょう!

 

ステキなクリスマスイブを!

そして、よい年をお迎えくださいませ。

 

本日も最後までお読みいただきまして、

ありがとうございました。

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早川勝

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