【783号】今日も猫背で考え中 太田光の頭の中。飾らない言葉がスッと心に響くエッセイ集

2016-04-24

ここ最近、「涙」を流す機会が増えました。

それはもう、ほぼ毎日、泣いていると言ってもいいほど。

 

このたび、新しい組織を立ち上げるにあたり、

十数種類の感動映像やエッセイを制作したのですが、

これらが、かなり「泣ける」。

 

もちろん、自分たちで作ったのですから、

すでに何十回と見ているはずなのですが…、

それでも「ツボ」に入ると、涙が止まりません。

 

新オフィスの最新設備でモニターを見る機会が増え、

「目頭の熱い日々」を送っています。

 

新たなご縁から加わった熱い仲間たちとも、

研修の上映会で共に「大泣き」しました。

 

なぜか、泣いた後は、気持ちがすっきり。

本当に「涙は心の汗」、ですね。

 

しばらくは、涙腺を緩めておくことにします。

 

 

 

と、前置きはこれくらいにして、

メインコンテンツに入ります。

 

今週も、お薦め書籍(645冊目)の中から、

ためになる一節を抜粋し、ご紹介いたします。

 

本日のテーマは、

【人生】です。

お役に立ちましたら幸いです。

それでは、どうぞ!

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私の本よりためになる「お薦め書籍」シリーズ  No.645

『今日も猫背で考え中』

太田光の頭の中。

飾らない言葉がスッと心に響くエッセイ集

太田光著

講談社文庫

 

 

時間にまつわる映画で俺が一番好きな作品が、

チャップリンの『ライムライト』だ。

この映画のなかでチャップリンが口にする

「時は偉大なる作家である」

というセリフが素晴らしいんだけど、

俺の記憶には、そのセリフと淀川長治さんが語ってくれた

チャップリンとのエピソードが結びついている。

 

淀川さんは、若い頃からチャップリンの大ファンだった。

新人記者時代、チャップリンが来日するというので、

淀川さんは取材場所へと潜り込む。

正式なオファーを経てのものじゃなかったのだと思う。

それでも、実際にチャップリンと会えた淀川さんは、いたく感動する。

 

時間は流れ、無声映画からトーキーへ。

チャップリンがトーキーで『ライムライト』を撮影する。

既に映画評論家としての地位を高めていた淀川さんは、

その現場に正式な取材として訪れていた。

スタジオの隅で食い入るように撮影風景を見つめる淀川さん。

 

すると、例のセリフが映画を彩ったのだ。

「時は偉大なる作家である」

チャップリンは、そのセリフに思い入れがあるのか、

何度もテイクを重ねていく。

その様子を見ているうちに、淀川さんは号泣したという。

 

淀川さんからすれば、大好きだったチャップリンが、

今や白髪の老人になっている。

トレードマークだった山高帽もかぶっていない。

しかも、映画の世界は無声からトーキーへと移っている。

 

まさに、時間の流れを感じずにはいられないシチュエーション。

 

しかも、例のセリフのテイクが何度も繰り返される。

それゃあ、淀川さんからしてみれば、

映画のセリフが自分の人生とシンクロしないわけがなかっただろう。

 

そして、何度目かの「時は偉大なる作家である」に

チャップリンの「OK!」の声が飛ぶ。

 

時の流れは平等だから、淀川さん自身も年を重ねている。

見た目もすっかり変わっていた。

だから、チャップリンは自分のことなんて覚えていないだろうなぁと思っていると、

チャップリンがつかつかと淀川さんに近づいてきたんだって。

 

チャップリンからすれば、

スタジオの片隅で号泣している東洋人が気にかかったのかもしれない。

そこで、淀川さんは、カタコトの英語で、

若い頃に一度会っていること、

「時は偉大なる作家である」という言葉に

いろんな思いが合わさって泣いてしまったことを告げたらしい。

 

すると、チャップリンが淀川さんを抱きしめてこう言ったそうだ。

「覚えてるよ。あの時の坊やだろ?」

 

俺は大好きなのである。チャップリンと淀川さんを巡る、

まさに「時は偉大なる作家である」という、このエピソードが。

 

 

(中略)

 

 

人生は、鉄板焼きのガーリックライスだと思う。

 

たまに鉄板焼きを食べに行くといつも感じるんだけど、

ああいうところで食べるガーリックライスって、

目の前で調理してくれるから、

バターと醤油の香ばしい匂いがたまらなくうまそうだったりする。

 

でも、いざ食べてみると、

食前の「うまそう!」という想像力を一度も超えた試しがない。

 

ガーリックライスは、食べる前の

鉄板に乗っかっている瞬間のほうが絶対にうまい。

 

もしも、「つまらない人生」と嘆いている人が、

人生は鉄板焼きのガーリックライスだと思えたなら。

 

つまらないと感じること自体は間違っていなくて、

その思いがなければ人間なんて向上できるわけがない。

 

その上で、心のどこかで

「ガーリックライスは食う前に想像したヤツのほうがうまい」

「人生も似たようなもの」

って分析も必要だと思う。

現実はこんなもんだろっていうね。

 

俺自身は、人生でつまんないと思う瞬間はまずないんだけど、

田中を見ていると「つまんねぇ奴だなぁ」と常に感じてしまう。

あいつは、一切の事柄に対して悩まない。

一瞬落ち込んだとしても、次の瞬間にはケロっとしている。

 

そんな人生のどこがおもしろいんだろうと、いつも不思議だ。

 

 

 

2016年4月24日(日)

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早川勝

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