【782号】完全版 社会人大学人見知り部卒業見込  雑誌「ダ・ヴィンチ」で読者支持第一位となったオードリー若林の大人気エッセイ

2016-04-17

熊本地震で被災された九州地方の方々には、

謹んでお見舞いを申し上げます。

 

次々に伝わってくる被災地の凄惨な報道には、

本当に胸が痛みます。

 

お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

 

まだ余震が続いていて、

安否が不明な方がいらっしゃるようです。

 

水不足に加え食料などの物資も

まだまだ十分に行き届いていません。

 

孤立している一人でも多くの避難民の方が救助され、

救援物資がすべての方々の元に届き、

一日も早くライフラインが復旧することを祈るばかりです。

 

皆さんのお身内や関係者の中には、

被災された方々もいらっしゃることでしょう。

心よりお見舞い申し上げます。

 

 

微力ながら私も、

できる限りの支援をしたいと思っております。

 

九州地方では大きな余震が続いているようです…。

どうか身の安全を最優先に、

くれぐれもお気をつけくださいませ。

 

 

 

では、

ここからメインコンテンツに入ります。

 

今週も、お薦め書籍(644冊目)の中から、

ためになる一節を抜粋し、ご紹介いたします。

 

本日のテーマは、

【馬鹿の定義と幸せ】です。

お役に立ちましたら幸いです。

それでは、どうぞ!

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私の本よりためになる「お薦め書籍」シリーズ  No.644

『完全版 社会人大学人見知り部卒業見込』

雑誌「ダ・ヴィンチ」で読者支持第一位となったオードリー若林の大人気エッセイ

若林正恭著

角川文庫

 

 

馬鹿の定義

 

一流大学出身のディレクターさんとお酒を飲んでいて、

“馬鹿の定義”の話題になった。

 

その人は、学生時代に家庭教師のアルバイトをしていて、

成績の伸びない子の典型として

「わからない問題にこだわり続ける」

ということを言っていた。

 

わからない問題にこだわり続けた結果、

冷静さを失い、集中力を切らし諦める。

これが、成績の伸びない子に多かったらしい。

 

対して、成績の伸びる子はわからない部分を次々と飛ばし、

わかることから済ましていく。

要領のいい子が多かったらしい。

 

 

ぼくは、学生時代とにかく成績が悪かった。

わからない問題にこだわり続けるどころか、

今、なぜ自分が数学を勉強しなきゃいけないのかにこだわり続けて、

結局、授業はまるで聞いていなかった。

 

高校時代にアメリカンフットボール部に所属していた時も、

練習内容をいちいち先輩に

「先輩! これは試合中どんな時に役に立つ練習ですか?」

と聞いては

「黙ってやってりゃいいんだよ!」

と体育会系らしい理由でゲンコツなどを食らっていた。

 

お笑いを始めてからも、些細なことにこだわる病は止まらない。

ある日、目上の人と飲んでいたら

「さっきから手酌なんだけど!」と怒られた。

 

自分の酒を自分で注いで飲むことがなぜ怒りに達するか

理解できなかったぼくは、次の日図書館に走った。

手酌について調べてみると、どうもお酌というのは、

男女雇用機会均等法が成立する前の時代、

給料は年功序列で男女格差が大きかったらしく、

会社の飲み会などの飲食費は年上の上司が払うことが通念だったらしい。

そこで、タダ飯のタダ酒というのも、申し訳ないので

「せめてお酌でも」というのが事の始まりだということがわかった。

 

「ということは、昨日は割り勘だったからお酌は必要なかったんだな。

今度から、奢りの時はお酌して、割り勘の時はお酌をしないでいこう!」

と心に決めた。

 

今思えば、黙って練習すりゃいいし、

黙ってお酌すりゃいいのだ。

理由は、後々めんどくさいからだ。

 

「そんなぼくは馬鹿ですか?」

とディレクターさんに聞くと、

「少なくとも頭がいい人ではないのかな」

と柔らかい口調でザックリえぐられた。

 

馬鹿の心当たりはあるものの、

軽く落ち込んだぼくを見かねたのか、

「でも」と前置きして、

「僕の経験からすると、

わからないことにこだわらない人は一から百は作れるけど、

ゼロから一は作れないんだよ。

つまりフォーマットをなぞることはできても

発明はできないんだよね」

と言った。

 

(中略)

 

今、幸せですか?

 

(中略)

 

先日、作家さんと「仕事と幸福」がテーマのインタビューを受けた。

「今、幸せですか?」

と唐突に聞かれた。

ぼくは「幸せです!」と即答できなかった。

 

願いを叶えれば常に幸福を感じられると夢想していた二十代。

だが、今も大きな仕事の出番前には緊張して憂鬱な気持ちになる。

ネタを作る作業は何年やってもめんどくさいし自信はない。

 

そんな時、自分はこの仕事が好きなのか疑問に感じることがある。

 

そんな自分を傲慢に感じていた。

 

「今、幸せですか?」

と同じ質問をされた作家さんは熟考し、

「……ジェットコースターみたいなものかな」

と答えた。

 

ここ数年解けないでいた問題の答えを聞いたようにハッとした。

 

わざわざ怖い思いをするために時間をかけて並ぶ。

絶叫しながら乗る。

二度と乗りたくないと思う。

でも、充実感がある。

だから、また次のジェットコースターに並んでしまう。

 

仕事がそれに似ているという。

昇進して休日には家族と過ごせるようになったディレクターさんが

「あんなに嫌だった徹夜の編集作業が今じゃ恋しい」

と言っていたのを思い出した。

 

それを聞いてから

仕事に対して緊張したり憂鬱になったりすることに

負い目を感じなくなった。

 

その感情は後の充実感や高揚感の予告信号のようなものだから。

 

自分にとっての幸福って

絶叫マシンと絶叫マシンの間のソフトクリームのようなものかな?

と思った。

すぐ溶けるし、食べ過ぎると飽きるし。

 

事実、この原稿を書きながら

何度か「ギャー!」と叫んだし、

書き終わった今、

マンゴーラッシーを飲んでいるが、とても幸せだ。

 

 

 

2016年4月17日(日)

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早川勝

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