早川勝メール【743号】それでもなお生きる 運命を引き受ける。しかし運命は変えられる

2015-03-15

 

どれだけの年月を重ねても、どれだけの季節を乗り越えても、

癒えない「傷」があります。

どれだけの年月を重ねても、どれだけの季節を乗り越えても、

忘れてはいけない「思い」があります。

3月11日、
未曾有の被害をもたらしたあの東日本大震災の発生から、4年を迎えました。

犠牲になられたすべての方々へ改めて哀悼の意を表しますとともに、
依然として避難を余儀なくされている被災者の皆様には、心からお見舞いを申し上げます。

あの震災により、数多くの「尊い命」が奪われました。

愛するご家族、かけがえのないご友人たちを
亡くされた方々の気持ちを思うと、
今もなお深い悲しみで、胸が押しつぶされそうになります。

今年もまた、「3月11日午後2時46分」を迎えるにあたり、
日本人である私たち一人ひとりは、様々な思いを込めて「黙祷」を捧げ、
ご冥福をお祈りされたのではないでしょうか。

 

ニュースでご覧になった方も多いと思いますが、
東日本大震災4周年追悼式にて遺族を代表し、
当時15歳だった菅原彩加さんがスピーチをされましたね。

私もまた、心を打たれ、涙した一人です。

ここで、そのスピーチをご紹介させていただきます↓

『 私は東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市大川地区で生まれ育ちました。

小さな集落でしたが、朝学校へ行く際すれ違う人皆が
「彩加ちゃん! 元気にいってらっしゃい」と声をかけてくれるような、
温かい大川がとても大好きでした。

あの日、中学の卒業式が終わり家に帰ると大きな地震が起き、
地鳴りのような音と共に津波が一瞬にして
私たち家族5人をのみ込みました。

しばらく流された後、
私は運良く瓦礫(がれき)の山の上に流れ着きました。

その時、足下から私の名前を呼ぶ声が聞こえ、かき分けて見てみると
釘や木が刺さり足は折れ変わり果てた母の姿がありました。

右足が挟まって抜けず、瓦礫をよけようと頑張りましたが
私一人にはどうにもならないほどの重さ、大きさでした。

母のことを助けたいけれど、ここに居たら私も流されて死んでしまう。

「行かないで」という母に
私は「ありがとう、大好きだよ」と伝え、
近くにあった小学校へと泳いで渡り、一夜を明かしました。

そんな体験から今日で4年。

あっという間で、そしてとても長い4年間でした。

家族を思って泣いた日は数えきれないほどあったし、
15歳だった私には受け入れられないような悲しみがたくさんありました。

全てが、今もまだ夢の様です。

しかし私は震災後、たくさんの「諦めない、人々の姿」を見てきました。

震災で甚大な被害を受けたのにもかかわらず、
東北にはたくさんの人々の笑顔があります。

「皆でがんばっぺな」と声を掛け合い
復興へ向かって頑張る人たちがいます。

日本中、世界中から東北復興のために
助けの手を差し伸べてくださる人たちがいます。

そんなふるさと東北の人々の姿を見ていると
「私も震災に負けてないで頑張らなきゃ」
という気持ちにいつもなることが出来ます。

震災で失った物はもう戻ってくることはありません。

被災した方々の心から震災の悲しみが消えることも無いと思います。

しかしながらこれから得ていく物は
自分の行動や気持ち次第でいくらにでも増やしていける物だと私は思います。

前向きに頑張って生きていくことこそが、
亡くなった家族への恩返しだと思い、

震災で失った物と同じくらいの物を私の人生を通して得ていけるように、
しっかり前を向いて生きていきたいと思います。

最後に、東日本大震災に伴い被災地にたくさんの支援をしてくださった皆様、
本当にどうもありがとうございました。

また、お亡くなりになったたくさんの方々に
ご冥福をお祈りし追悼の言葉とさせていただきます。 』

以上。

 

私たちもここで改めて、
深く心に刻まなければいけない「思い」があります。

生かされている「普通」の日常に
感謝の気持ちを忘れず、

明日の死を覚悟して、
悔いのない「今」を精一杯に生き切ること。

その生き方こそが、
生きたくても生きることの出来なかった方たちへの
何よりの供養になるのではないでしょうか。

 

さて、 震災関連のニュースといえば…、

もう一つ、今もなお解決していない「原発」の問題があります。

このタイミングで、 ドイツのメルケル首相が来日しました。

メルケル首相は、いわずと知れた「脱原発」派です。

ドイツでは、あと7年もすれば、原発は終息する計画だといいます。

素晴らしい実行力ですよね。

日本も脱原発に向かうべきだと、メルケル首相ははっきりと表明していますが、

対照的に日本の安倍首相は、 原発の「再稼働」を進めています。

メルケル首相は、福島の原発事故を“教訓”にして、
エネルギー政策を転換させたというのですから、なんだか「皮肉」なものですね。

メルケル首相は次のように言っています。

「福島の事故の経験から言えることは、安全性が最も重要だということです」

「私は日本も同じ道を取るべきだと思っています」

「私たちドイツと日本は協力していけるはずです」

この発言というのは、私たち日本人一人ひとりへのメッセージであると、
深く心に受けとめるべきでしょう!

 

と、本日の前置きはこれくらいにして、
メインコンテンツに入ります。

今週も新たに616冊目の「お薦め書籍」から
ためになる一節を抜粋し、ご紹介いたします。

3月から4月にかけては、皆さんの組織におかれましても、
「異動」「転勤」の季節なのではないでしょうか。

 

本日のテーマは、
【不遇でも腐らない】
です。

お役に立ちましたら幸いです。
それでは、どうぞ!
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私の本よりためになる「お薦め書籍」シリーズ No.616
「それでもなお生きる」
運命を引き受ける。しかし運命は変えられる。
佐々木常夫著
河出書房新社

 

人が人に対して行う評価は、あまりあてになりません。

だからもし誰かから低い評価を受けたとしても、
「この人は自分のことをこんなふうに見ているのだ」
という程度に受け止めればいいのです。

高い評価をもらえるように努力することは大事ですが、
必要以上に落ち込んだり、気に病んだりすることはありません。

新しい部署に赴任したときには、前任者からの引き継ぎがありますが、
その人たちの部下に対する評価はおおむね主観的なものが多いので
気を付けたほうがいいです。

前任者から「彼は仕事ができるよ」と評価されていた部下が、
一緒に働いてみると指示に対する返事はいいのですが、
仕事の進め方がお粗末だったり、

「彼はうちの課のお荷物だ」と低い評価をされていた部下が、
少し仕事のスピードは遅いのですが、
的確に業務を遂行したりすることがあります。

だから、前任者による部下への評価については、
それなりに参考にしたとしても、自分の目で確かめるべきです。

人の評価にはその人の価値観や好みが反映されますが、
そうしたことは仕方がありません。

人間という不完全な生き物が人を評価するわけだから、
そこに主観や好き嫌いが入ってくることを排除することはできません。

「自分はきちんと評価されていない」
という悩みを持つ人は多くいますが、
そもそも評価なんて不公平なものだと思ったほうがいいです。

組織の中で働いていると、上司が自分のことを評価してくれなかった場合、
左遷されるということが起こります。

後に大きな業績を挙げることになる人の中にも、
若いころに上司との折り合いが悪くて、
左遷の憂き目に遭った人は少なくないでしょう。

私の友人にも、上司との衝突が原因で子会社に飛ばされ、
1年間その悔しさでろくに寝られなかったという人がいました。

私自身、わずか2年間で取締役を外されるという左遷を経験しているので、
自分を適正に評価してくれなかったことへの無念さと口惜しさはよくわかります。

しかし人に対して行う評価は、所詮、限界があるのです。

だから自分に低い評価しか与えてくれない人がいる一方で、
自分のことを高く評価してくれる人もいるということもあります。

大切なのは、人からどう思われるかということより、
「真摯に自分の仕事をする」ということです。

やがてそうした姿を評価してくれる人が必ず現れます。

そして不遇の時期には、「長い人生、こういうこともあるさ。
まあ腐らずにがんばろう」と、どっしりと構えておくことが大事です。

私の好きなリーダーのひとりに広田弘毅がいます。
城山三郎が『落日燃ゆ』という小説で主人公にした宰相です。

広田は外交官でしたが、当時外務官を牛耳っていた幣原喜重郎とソリが合わず、
省内で冷や飯を食わされていました。

そして1926年には、

外交官にとってはけっして花形とはいえない仕事場である小国のオランダに左遷されます。

そのときに詠んだのが、「風車 風が吹くまで 昼寝かな」 です。

肩に入った力がふっと抜けるような、 何とも味わい深い句です。

左遷をされたときは、そのときはそのとき、
のんびりしようという気持ちでいたほうがいい、ということでしょう。

ただし広田はオランダで、本当に昼寝をしていたわけではありません。

オランダは当時、既にヨーロッパの主役ではなくなっていましたが、
かつてはオランダ海洋帝国を築き、世界の海を支配したこともありました。

そこで広田は、なぜこの国が小国ながらも世界を制覇できたのか
その理由を探ったり、列強ひしめく中で小国として
生き残っていくためのヒントは何かを、
オランダの歴史から学びとろうとしたりしました。

オランダにいる機会を利用して、小国という立場から世界を見る視点を身につけ
日本の外交政策の参考にしようとしたのです。

これはアメリカやイギリスといった外交の表舞台にいる人間にはできないことです。

彼は左遷を左遷で終わらせずに、外交官としての自分の見識を高めるチャンスに変えたのです。

そういう広田を、世の中がそのまま見捨てておくわけがありません。

満州事変や国際連盟からの脱退などによって日本が国際的に孤立する中で、
「外交を舵取りできるのはやはり広田しかいない」という周囲の期待のもとに、
彼は再び表舞台に返り咲き、外務大臣へ、やがては内閣総理大臣に任じられることになりました。

そしてオランダで「昼寝」をしている間に培った見識を活かして、
日本を窮地から救おうとします。
残念ながら彼の努力は実を結ばず、
日本は戦争への道を突き進むことになったのですが……。

大切なのは広田のように、何があっても腐らないことです。

見てくれる人は、必ず見てくれています。

焦らずあきらめず、きちんと仕事をして自分を磨き続けることです。

(中略)

 

若い人の中には、大病を患っている方を除けば、
いずれ自分も死ぬときがくることを
なかなか実感できない人もいると思います。

しかし、私の友人で30代で突然交通事故で亡くなった人も、
40代のとき病気で急死した人もいます。

死はいつでも近くにいると考えていたほうがいいです。

年をとってくると、身近なところで亡くなる人か増えるし、
次第に自分の死を意識するようになります。

先日、中学校から高校、大学時代にかけて、
とても仲の良かった友人が亡くなりました。
本当にショックでした。

死はすぐ身近なものでした。

後で話を聞くと、彼は何度か入退院を繰り返していたそうです。

だから少なくとも本人は、自分が重い病気に罹っているという自覚はあったわけです。

それならひと言ぐらい話してくれてもよかったのに、と悲しくなりました。

その一方で、私が会社員時代にお世話になったある取引先の社長は、
あるとき私に「今度東京に出て行くので佐々木さんに会いたい」
と連絡をくれました。

お会いしてみると、「自分はガンで、もう余命がそれほど長くないので、
死ぬ前に佐々木さんに会いたかった」と言いました。

その社長は亡くなる前に、どうしてもお世話になった京都の昔からの知り合いと、
東北の釜石に住んでいる仕事仲間、そして私の3人に会って
お別れをしたいと思ったそうです。

そして私と会った2カ月後、その方は息を引き取られました。

私と再会したことで、その方の気持ちが少しでも安らいだのならうれしいし、
私もまた最後にお別れの言葉を伝えられました。

死は、自分だけのものではありません。

できれば大切な人や親しい人には、
きちんとお別れのあいさつをしてから死にたいと思います。

もちろん急な事故などで死ぬこともありますから、
そのときは難しいでしょうが、
そうでなければお世話になった方へのお礼とお別れのあいさつをしたい、
直接会うのが難しいのなら、少なくとも手紙で気持ちを伝えたい。

そうしないと、何より自分自身が心残りです。

死にゆく者が、遺される人に別れのあいさつをすることは、
相手に対するマナーでもあります。

遺された人は、先に死んでいった人とのつながりが
深いものであればあるほど、深い喪失感に襲われます。

心の中にぽっかりと穴が空きます。

もし自分にとって大切な人が何も告げず、
こちらの心の準備もないままに亡くなってしまったら、
いつまで経ってもその穴は埋まらなくなります。

私は以前、日本尊厳死協会の存在を知って、すぐ入会しました。

病気で倒れたら、私の面倒を看てくれる人がいるでしょうが、
その人たちにせめて精神的負担はかけたくないものです。

また家族に対しては、急に自分がいなくなったからといって
困ることのないように、十分準備してから死にたいものです。

私は、数年前、正式な公正証書の形で
遺言書を作成しました。

いつ訪れるか知れない死の準備をしておくことは、
人としての義務ではないでしょうか。

こうしたことを話しても、若い人にはぴんとこないかもしれません。
しかし40代や50代で亡くなる方もいます。

死がいつ自分に訪れるかは、誰にもわかりません。

死は自分のすぐそばにあると考えて、
いつ死んでも悔いのないように、その最小限の準備をしておきたいものです。

 

 

2015年3月15日(日)

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