早川勝メール【671号】自分の小さな「箱」から脱出する方法 人間関 係のパターンを変えれば、うまくいく!

2013-09-08

 

80歳になる名優・仲代達矢さんが
テレビのインタビューにて

次のようなメッセージを語っていました。

 

「食うために生きるのか

生きるために食うのか」

 

うーん、なるほど。
深いですね。

あなたはどちら派でしょうか?

 

 

と、
前置きはこれくらいにして、

本日も、新たに「546冊目」のオススメ書籍から
抜粋した「なるほど!」という一節をご紹介します。

本日のテーマは
【自己欺瞞】
です。

お役に立てれば幸いです。
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私の本よりためになる「お薦め書籍」シリーズ No.546
『自分の小さな「箱」から脱出する方法 』
人間関係のパターンを変えれば、うまくいく!
アービンジャー・インスティチュート著
金森重樹:監修/冨永星:訳
大和書房

+ 「自己正当化イメージ」について

バドは立ち上がると、再び歩き始めた。

「そうだなあ。たとえば、他の人たちのことを思いやるのはよいことだ。
しかし、わたしが、自分は他の人を思いやれる人間だと思っているとき、
実際には誰のことを考えているんだろう?」

「ご自分のことですね」

「そうなんだ。
だから、わたしは自己正当化イメージに欺かれていることになる。
たとえばこの場合、自己正当化イメージはわたしに、
わたしは他の人を思いやれる人間だ、という。
しかしそういうイメージを持っているわたしは、
実は自分のことしか見ていないというわけだ」

「なるほど」

そういいながらも、わたしはバドの論理の穴を探していた。

「でも、頭が切れたり知識が豊富なことの、
いったいどこがまずいんです?」

「ふうむ。では君が、自分は何でも知っている、
という自己正当化イメージを持っているとしよう。
ここで、誰かから、自分の知らなかったことを持ち出されたら、
君はどう感じるだろう?」

「そうですねえ、腹を立てるでしょうね。
相手のいっていることの、あらを探そうとする」

「そうなんだ。じゃあ、次に新しいことを思いついたとき、
相手は君のところへ来るだろうか」

「いいえ」

「となると、君は新しいことを学べるだろうか」

「いいえ、おそらく無理ですね」

そのとき突然ピンときた。

「ああなるほど、わかりました。
自分は物知りだというイメージを持っているからこそ、
わたしは物知りになれないんだ」

「そうなんだ。
自分は何でも知っているという自己正当化イメージを持っている人は、
ほんとうに、いろいろなことを知りたいと思っているんだろうか」

「違いますね。
自分がどう見えるか、
それが最大の関心事なんじゃありませんか」

「その通り。
自己正当化イメージというのは、そういうものなんだ」

(中略)

自分への裏切り
1 自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を、
自分への裏切りと呼ぶ。
2 いったん自分の感情に背くと、
周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。

4 したがって、人は自分の感情に背いたときに、箱に入る。

(中略)

+ なぜ自分が望む方向に進まないのか

「トム、もしこの時点で君がケイトに、
今一番望んでいるのは何かたずねたら、
ケイトはどう答えると思う」

「息子さんには、もっと責任感のある、
面倒を起こさない人間になってほしいと思っている。
そうおっしゃるでしょうね」

「その通り。じゃあ箱の中にいるケイトは、
実際には、息子さんにどういう影響を及ぼしているんだろう。
物事を、自分が望む方向に進められているだろうか」

わたしは図を見た。

「いいえ、ご自分が望んでもいないことを、
引き起こしておられるようですが」

「そうなんだ。
ケイトは、息子がさらに自分のいやがることをするように、しむけている」

わたしはしばらく考えてからいった。

「でも、そりゃあ無茶だ。
どうしてそんなことをするんです。
なぜなんです?」

「すばらしい質問だ。ケイト本人に聞いてみるといい」

「そうねぇ」

ケイトはそういうなり、黙り込んだ。考えをまとめているようだ。

「それはつまり、わたしには自分が何をやっているのか、
わかっていなかったということだと思うの。
わたしは箱の中にいる、つまり自分を裏切っているわけ。
そして、箱に中にいると物事がちゃんと見えなくなる。
自分や他の人のことをありのままに見ることができなくなって、
自分が求めているものすら、わからなくなるの。
一つ、例を挙げて説明してみるわね。

今お話しした通り、わたしは息子に対して箱の中に入っていた。
お二人がおっしゃったこと、つまり激しい躾や批判や監視、
そういったことをすべてやってみた。
でも問題は、行動そのものではなく、
そのやり方だったの。

ときには、子どもを厳しく躾けることも必要よ。
でも、わたしが息子を躾けようとしたのは、
息子に躾が必要だったからじゃない。
息子に生活をめちゃくちゃにされたと思って、
頭にきて、躾けていたの。
躾けているあいだもそれ以外のときも、
わたしは箱の中に入り続けていた。

息子を、手を貸してあげるべき人間としてではなく、
叱る対象としてしか見ていなかった。
息子はそれを感じて、反発していたの。

もう一年ほどになるかしら、そんなこんなの最中のある金曜の夜に、
息子が車を使いたいといいだした。
わたしは車を使わせたくなくて、
息子に、異様に早い門限をいい渡したの。
息子が絶対にのめそうにない時間をね。
『使ってもいいわよ。だけど』
われながらえらそうないい方をしたもんだわ。
『一〇時半には帰ってこなくちゃ駄目よ』
『ああ、わかった』息子はそういうと、
キーラックから鍵をさっと取り、ドアを荒々しく閉めて出ていった。

わたしはソファに倒れ込んだわ。
ひどい疲れを感じていて、
二度と息子に車なんか使わせるもんですか、と思っていた。
その晩はずっとそんなふうだった。
考えれば考えるほど、無責任な息子に腹が立ってきた。
一〇時のニュースを見ているあいだも、息子のことでいらいらしていた。
夫のスティーブも家にいたわ。
二人して息子のことをぼやいていたとき、
玄関先でタイヤがきしむ音がしたの。
時計を見たわ。一〇時二九分。それで……」

わたしはじっと聞き耳を立てていた。

「そのとき時計を見たわたしは、ひどくがっかりしたの」

しばらくして、ケイトは再び口を開いた。

「あの晩、もしあなたになにを望んでいるのかとたずねられたら、
わたしはこう答えたと思う。
息子には責任を持って行動し、約束を守り、
人に信頼される人間になってほしい、
それを何よりも願っているんだって。

でも、息子が実際に責任ある行動をとったとき、
約束通りにしたとき、わたしは喜んだ?」

「いいえ、喜びませんでした」

ようやくのみこめてきたぞ。

「そうなのよ。息子が玄関から飛び込んできて、
『ほら、約束守ったろ』といったとき、
わたしがなんていったと思う?
息子の背中を叩いて、『よくやったわね』っていったと思う?」

「いいえ、たぶん『そうね、でもタイヤをきしませたりしちゃ駄目よ』
みたいなことをおっしゃったんでしょう」

「その通り。こういったの。
『あら、ぎりぎりだったわね』
わかる?
息子が責任ある行動をとっても、
そのことを認めてあげられなかったというわけ」

わたしは息子のトッドのことを考えながら、小さな声でいった。

「なるほど、これはすごい」

「ね。ということは、わたしは、
ほんとうに責任感のある息子を心から望んでいたといえるかしら」

「いいえ」

「でしょう? 箱に中に入っていると、
自分が一番望んでいると考えているものより、
さらに必要なものが生まれるの。
箱の中にいると、自分がほんとうに求めているものが見えなくなる。

箱の中にいたわたしは、自分がなにが必要だと感じていたと思う?
箱に中に入っているわたしにとって、何が一番大事だったのかしら」

わたしは、心の中でその質問を繰り返してみた。

箱に中にいると、何が一番大事になるのか。
何が必要になるのか。
しかし、どうもよくわからなかった。

ケイトは、わたしのほうに上体を傾けた。

「箱の中にいたわたしが何より求めていたのは、
自分が正当化されることだったの。

一晩中、いいえ、もっと前から息子を責め続けていたとしたら、
自分が正当化された、自分が正しかったと感じるために、
何が必要になる?」

「相手が間違っていなくてはなりませんね」

わたしは、腹のあたりがねじれるのを感じながら、ゆっくりといった。

「息子さんを責めている自分を正当化するには、
相手が責めるに足る人間でなくてはなりませんから」

 

 

2013年9月8日(日)

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早川勝

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